スキー場でよくある「雪目」とは?症状・治療法・予防法について

スキー場でよくある「雪目」とは?症状・治療法・予防法について

スキー場でよくある「雪目」とは?症状・治療法・予防法について

スキー場でよくある「雪目」とは?症状・治療法・予防法について

日差しの強い場所でサングラスをかけずに長時間過ごし、夜になったら目が真っ赤になって痛かった、という経験はありませんか?このような症状は、強い紫外線を長時間浴び続けることによって起きるもので、「雪目(ゆきめ)」または「雪眼炎(せつがんえん)」と呼ばれています。紫外線は、肌だけでなく目にも悪影響を与えることがあるのです。この記事では、雪目(雪眼炎)の症状や治療法、予防法について解説します。
作成日: 2023/01/17
更新日: 2024/05/16

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目次

 

スキー場で起こりやすい雪目(雪眼炎)とは?

雪目(雪眼炎)とは、目が強い紫外線に長時間さらされることによって起こる目の障害のことです。簡単に表現するならば、「目の日焼け」のようなもの、ということができます。
太陽から直接目に入る紫外線のほか、雪などから照り返される紫外線も雪目の原因となります。スキー場などでは雪目が起こりやすいため、十分に注意する必要があります。

雪目(雪眼炎)のリスクとは?夏でも危険?

雪目は、その名の通り、雪のある場所で起こりやすい目の病気です。その理由は、雪面で反射した紫外線が目にダメージを与えるからです。ある研究によると、雪面上ではなんと9割の紫外線が反射するそうです 1)。つまり、晴れた日のスキー場や雪山では、雪面で反射した紫外線を含めると、太陽から降り注ぐ量の約2倍の紫外線を浴びることになるのです。
雪のない場所であっても、強い紫外線を浴びることで、雪目になってしまうことがあります。特に、紫外線量の多い夏は注意が必要です。海や山のレジャーに出かける際には、日焼け止めを塗って肌の日焼けを予防するのと同様、目に関してもサングラスなどを使って紫外線対策をしましょう。
また、電気溶接をする方は、作業時に発生する紫外線によって目にダメージを受けることがあります。電気溶接で生じる目の障害は、特に「電気性眼炎」と呼ばれています。溶接を行う際には、目の障害を予防するために必ず作業用のゴーグルなどを装着しましょう。
以上のような原因を含め、強い紫外線を浴びた後に目が痛くなったら、早めに眼科を受診してください。

【紫外線対策】目と紫外線(UV)の関係 について
https://acuvuevision.jp/memamori/how-eyes-work/10

充血や異物感など。雪目(雪眼炎)の主な症状とは?

雪目の典型的な症状は、目の痛みや充血、涙目、ゴロゴロとした異物感、まぶしさなどです。これらの症状は、強い紫外線を浴びてすぐに現れるわけではなく、6~10時間程度後に現れます。また、まれに二次感染を起こし、角膜潰瘍(角膜が深いところまで傷ついた状態)が生じることもあります。
通常、紫外線のほとんどは、目の表面を覆っている角膜で吸収されるため、目の奥にまで影響が及ぶことはまれです。ただし、紫外線の波長によっては、目の奥にある水晶体や網膜にまで達するものがあり、白内障などのトラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。紫外線に曝露される量が多い地域では、白内障や老視の発症年齢が若いという報告もあります 2,3)
また、紫外線を長期間浴び続けると、白目の上に白~黄色の隆起物ができる「瞼裂斑(けんれつはん)」や、結膜が角膜の鼻側に侵入してくる「翼状片(よくじょうへん)」が生じることもあると言われています。翼状片は、進行すると乱視や視力低下を生じることがあり、視力低下が起きた場合には切除する必要があります。

雪目(雪眼炎)になってしまった時の対処法・治療法は?

雪目は、症状にもよりますが、通常2~3日程度で治ります。角膜の細胞は、再生する能力がとても高いためです。しかし、自己判断は危険です。強い紫外線を浴びた後に目の痛みや充血がある場合は、症状が軽くても眼科を受診しましょう。
雪目の治療には、主に目薬が使われます。処方されることが多いのは、抗菌薬やヒアルロン酸の入った目薬です。抗菌薬は感染を予防するため、ヒアルロン酸は角膜を保護するための成分です。また、目の痛みを抑えるために、鎮痛薬を処方されることもあります。

目を閉じると痛い!目の痛みがある場合に考えられる病気や原因は? について
https://acuvuevision.jp/article/314

目の火焼けや紫外線から目を守るには?雪目(雪眼炎)の正しい予防法

紫外線が強い場所では、しっかり防御策を講じることが大切です。紫外線から大切な目を守る方法をご紹介します。

サングラスや紫外線をカットするメガネをかける

サングラスや紫外線をカットするメガネを適切に使用すると、紫外線をカットできると考えられています。ある程度の大きさがあり、顔にフィットするタイプがおすすめです。

つばのついた帽子をかぶる

つばのついた帽子なら直射日光をさえぎることができます。ただし、つばのついた帽子だけでは、大気中の散乱光や照り返しによる紫外線をカットするのは難しくなります。

UVカット付きコンタクトレンズを装用する

UVカット*1付きコンタクトレンズは黒目全体をカバーするので、サングラスのすき間から入ってくる紫外線対策になります。
UVカット付きコンタクトレンズ+サングラス+つばのついた帽子で二重三重の紫外線対策をすることで、より紫外線をカットすることが可能になるでしょう。

アキュビュー® のコンタクトレンズは全てUVカット付きコンタクトレンズとなっており、UV-Bを約97%以上、UV-Aを約81%以上カット*2します。

*1 UV吸収剤を配合したコンタクトレンズは、UV吸収サングラスなどの代わりにはなりません。
*2 Johnson & Johnson VISION CARE, INC. データより。

まとめ

紫外線が強い季節や場所では、紫外線対策としてサングラスやつばのついた帽子のほか、UVカット付きコンタクトレンズの装用も1つの選択です。UVカット付きコンタクトレンズ、サングラス、帽子を併用して、全方位から降り注ぐ紫外線から目を守りましょう。特に、スキー場で長時間過ごす際には、雪目を防ぐためにも万全の対策をしておきたいですね。

参考文献

  1. 岡野 道明 日本森林学会大会発表データベース 116(0), 372, 2005
  2. 初坂奈津子 日本白内障学会誌 29, 40-44, 2017
  3. Miranda MN, Trans Am Ophthalmol Soc, 77, 603-621, 1979

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