コンタクトレンズの正規輸入品、並行輸入品、個人輸入品とは?

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コンタクトレンズの正規輸入品、並行輸入品、個人輸入品とは?

相違点、正規輸入品のメリットなどを解説
外国から輸入される製品には、「正規輸入品」のほかに、「並行輸入品」や「個人輸入品」があります。これらの製品は、一見同じように見えますが、流通ルートだけでなく、さまざまな違いがみられます。この記事では、これら3種類の輸入品の違いについて簡単にご紹介した上で、高度管理医療機器であるコンタクトレンズの輸入形態や、正規輸入品のメリット等について解説します。
作成日: 2024/05/17
更新日: 2024/06/17

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目次

 

正規輸入品、並行輸入品、個人輸入品とは

「正規輸入品」とは、海外メーカーの日本支社やメーカーと輸入販売契約を結んだ正規の代理店等を通じて日本に輸入される製品のことです。一方、「並行輸入品」とは、メーカーと輸入販売契約を結んでいない代理店等の第三者が、海外で製品を購入し、正規輸入品とは異なるルートで輸入される製品のことです。

また、正規の代理店等を通して輸入されていないものとして、「並行輸入品」のほかに「個人輸入品」があります。これは海外の製品を個人で使用することを目的として、個人が海外から直接購入する製品のことです。

正規輸入、並行輸入、個人輸入のイメージ1)

消費者庁:海外の製品を並行輸入品や個人輸入品として購入するときの注意点 図1. 並行輸入と個人輸入(イメージ) より一部改変

消費者庁には、海外の製品を並行輸入品または個人輸入品として購入した際に、取扱説明書が日本語でなく注意表示がなかった、粗悪品ですぐに壊れた、リコールされているのに返品できなかったなどの情報が寄せられているそうです。このため消費者庁では、海外の製品を並行輸入または個人輸入する際には、リスクを理解した上で、信頼できる業者から購入することを推奨しています。 

コンタクトレンズは並行輸入や個人輸入が可能?

それでは、医薬品や、高度管理医療機器であるコンタクトレンズを海外から輸入する場合はどうでしょう。正規輸入以外に、並行輸入や個人輸入はそもそも認められているのでしょうか。

業として医薬品等を輸入する場合には、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法/薬機法)」による製造販売業等の許可を得た事業者が、製造販売承認書等の必要な書類を準備し、通関手続きを行うことにより、輸入販売することが可能です3)。つまり、第三者に転売することを目的とする場合には、承認書や業許可証がなければ、コンタクトレンズを輸入することはできません。

一方、医師等が自身の裁量のもとに、自己の患者の治療や診断に使用する医薬品等を輸入する場合などでは、事前に厚生労働大臣(地方厚生局長)に輸入確認申請書等を提出し、輸入許可証の交付を受けることが必要です3)。しかしながら、輸入する医薬品等を個人が自ら使用することが明らかである場合には、輸入確認証の発給を要することなく輸入が可能です3)。ただしこの場合には、一度に輸入する数量に制限があり、「使い捨て医療機器(使い捨てコンタクトレンズなど)」では2ヵ月分以内と定められています4)

コンタクトレンズは、時計やバックのような製品とは異なり、高度管理医療機器ですので、転売目的で並行輸入することはできません。つまり、「正規輸入品」以外で日本に輸入されているコンタクトレンズは、並行輸入品ではなく、個人が直接海外の販売者から輸入している個人輸入品と考えることができます。

コンタクトレンズの正規輸入品と個人輸入品の違い

それでは、コンタクトレンズの正規輸入品と個人輸入品には、輸入ルート以外にどのような違いがあるのでしょう。厚生労働省や消費者庁のHP、Q&A等の記載内容をまとめると下表のようになります。同じメーカーのコンタクトレンズであっても、いろいろな点で違いがあることがわかります。

コンタクトレンズの正規輸入品と個人輸入品の違い1),2)

※1:アキュビュー の場合は、一次包装のホイルが英語表記、二次包装の外箱は英語と日本語表記(ユニバーサルデザインにつき、海外流通品も原則同じ表記。ただし、日本の正規輸入品には、日本語表記の添付文書が付属)。

都道府県知事等の許可を受けた国内の正規コンタクトレンズ販売業者が販売しているコンタクトレンズは、医薬品医療機器等法に基づき、品質、有効性および安全性が確認されています。一方、個人輸入を勧誘する海外販売サイト(越境インターネット販売サイト)で販売されているコンタクトレンズについては、同法に基づき品質、有効性および安全性が確認されたものであるかどうか不明です。このため、厚生労働省のHPでは、「医薬品等の個人輸入については、通常、メリットよりも危険性(リスク)のほうが大きい場合が多いと考えられます。」2)と明記されています。

以上より、日本国内のユーザーの皆様には、メーカーが直接お取引をしている、日本の取引先(正規のコンタクトレンズ販売業者)からコンタクトレンズを購入していただくことをお勧めしています。弊社製品の取扱い店は、下記から検索していただくことができます。

コンタクトレンズの個人輸入・転売行為の規制について

それでは、本来、個人で使用することを目的として、海外から直接輸入することができる個人輸入品が、個人だけの使用に留まらず、転売されている行為を規制することはできないのでしょうか?

医薬品医療機器等法においては、海外製コンタクトレンズの個人輸入行為そのものは禁止されていませんが、厚生労働大臣による製造販売承認等を取得していない海外製コンタクトレンズをインターネットサイトなどで宣伝広告を行ったり、輸入販売する行為は禁止されています。

ただし、販売される国によって規制が異なること、並行輸入制限すること自体を、日本でいうところの独占禁止法に類する法律で禁止する国もあることから、現段階では、法律上完全に、このような販売を規制することはできない状況です。

眼科で処方と定期検査を受けましょう

コンタクトレンズを安全・快適に装用するには、まず眼科でコンタクトレンズの処方を受けましょう。また、眼科医の指示に従って定期検査を受け、自分の目に合ったレンズを装用することが重要です。近年急速なIT化により、スマートフォンやタブレット端末等を長時間使用し、目が酷使される状況が増加しています。目は常に同じ状態とは限りませんので、定期的に眼科を受診し、医師の指導を受け、適切なケアを行うことが大切です。特に、目に違和感があるときには、そのまま放置せず、必ず眼科医に相談しましょう。

なお、眼科で処方されたものと同じベースカーブやサイズの別製品を、自己判断で購入している方もいるのではないでしょうか。しかし、同じ規格でも製品が変わればフィッティングが異なる場合がありますので、ご自身の目に合ったコンタクトレンズを眼科医に処方してもらうようにしましょう。

まとめ

コンタクトレンズの正規輸入品と個人輸入品にはさまざまな違いがあります。これらの違いを理解した上で、信頼できる正規の販売店からコンタクトレンズを購入していただくことをお勧めします。

<参考資料>

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