ドライアイとは?症状・原因・治し方をご紹介!

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ドライアイとは?症状・原因・治し方をご紹介!

<span style="color: #ff0000;">この記事は、診断・治療を目的としたものではありません。正確な診断や治療は医療機関で受けてください。</span><br><br>スマートフォンやパソコンを長時間使うことが多くなった現代では、「目が乾燥する」「目がゴロゴロする」といった症状を訴える人が増えています。このような目の不快感が、ドライアイによって引き起こされている場合も少なくありません。この記事では、ドライアイの症状や原因、対処法、予防法について、いくつかご紹介します。
作成日: 2023/01/25
更新日: 2024/05/16

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目次

 

そもそもドライアイとは?

ドライアイとは

涙の量が減ったり、涙の質が不安定になったりして、目の表面を適切に潤すことができなくなった状態のことです。
涙は通常、油層と液層という2つの層からなっていて、それぞれのバランスが保たれることで目の表面が潤っています。しかし、この層が不安定になると、涙が蒸発しやすくなり、「目が乾く」、「ものがかすんで見える」などの症状が引き起こされます。この状態がドライアイです。

涙の層はどのように作られている?

2つある涙の層のうち、外側の油層は、涙の蒸発を防ぐはたらきをしています。この層に含まれる油性成分は、まぶたにあるマイボーム腺という部分から分泌されます。
一方で液層は、目の表面を潤す涙の主成分としてのはたらきを持っています。この層を構成している涙液の大部分は、涙腺から分泌されます。またこの層には、結膜ゴブレット細胞から分泌されるムチン(分泌型ムチン)というタンパク質が含まれており、液層を安定化させています*1
分泌された涙は、まばたきとともに目の表面に運ばれます。そして余分な涙は、目頭にある「涙点」と呼ばれる小さな穴に入った後、細い管を通って鼻の奥へと排出され、最終的には喉のほうへ流れていきます。
普段、私たちの目を覆っている涙の量は7μL(マイクロリットル)程度(目薬1滴の7分の1ほどの量)とされています。また、涙の層の厚さは人によって差がありますが、3〜10μL(マイクロメートル=100万分の1メートル)程度と考えられています。

ドライアイの種類

ドライアイは、原因によって、涙の「量的な異常」によるものと、「質的な異常」によるものに分けられます。

・涙の量的な異常によるドライアイ
涙の分泌量が低下するなどして、目の表面にある涙の量が減ってしまうために発症するドライアイのことです。

・涙の質的な異常によるドライアイ
「涙の質的な異常」とは、油層中の脂質成分が減少したり、液層に含まれるムチンが少なくなったりして、涙の層が不安定になってしまう状態のことです。涙が目の表面を均一に覆うことができなくなり、ドライアイになると言われています。また、目の表面の細胞(角結膜上皮)に問題がある場合も、涙の層が不安定になり、ドライアイを発症する可能性が高まります。

ドライアイの症状とは?

ドライアイの症状として典型的なのは目の乾きですが、ほかにも、目やにが出る、目がゴロゴロする、物がかすんで見える、目が疲れやすいなど、様々な症状が出ます。

症状① 目の乾き

通常は、涙が絶えず分泌されることで、目の潤いが保たれていますが、涙の量が減ったり、涙の質が変わったりすると、目が乾いていると感じることがあります。涙の量や質に問題がない人でも、パソコン作業やゲームなどに長時間集中すると、その間まばたきの数が減り、目の乾きを感じることがあります。また、コンタクトレンズを装用すると、レンズの表面も裸眼と同じように涙の層で覆われますが、レンズ表面を覆う涙の層は裸眼の場合と比べて薄く、涙が蒸発しやすい不安定な状態になる場合が多いです。そのため、レンズ装用時には、目の乾燥感を覚えることがあります。

症状② 目やに

ドライアイがひどくなると、目やにが多くなる、目が充血する、といった症状が見られるようになります。

症状③ 目の異物感(ゴロゴロ感)

目の表面の涙が少なくなると、まばたきをする際に目とまぶたの間に摩擦が起こりやすくなります。それによって、「目がゴロゴロする」といった異物感を覚えたり、痛みを感じたりすることがあります。

症状④ 物がかすんで見える

目が乾燥すると、物がかすんで見えることがあります。涙の層が不安定な状態では、光が涙の層をスムーズに透過できなくなるため、ものがぼやけて見えることがあります。

ドライアイの診断基準とドライアイが疑われる症状

ドライアイの診断基準

ドライアイの診断基準が2016年に改定され、次の2項目を満たす場合にドライアイと診断されることになりました*2
1. 自覚症状(眼不快感や視機能異常など)
2. 涙液層破壊時間(BUT)**5秒以下

**BUT
目を開いてから涙の膜が壊れるまでの時間(BreakUpTime)のことです。涙の質を調べる検査法の1つで、眼科の診察時に行われます。

ドライアイが疑われる症状

ドライアイの場合、「目が乾く」、「目やにがでる」、「目がゴロゴロする」、「物がかすんで見える」、「目が疲れる」、「まぶしい」、「目が痛い」、「目が赤い」、「涙が出る」、「かゆい(搔痒感)」といった症状が出ることがあります*3

また、まばたきをせずに10秒間目を開けていられない人も、ドライアイの可能性が高いとされています。
なお、これらの症状はドライアイ以外の病気が原因で起こることもあります。自己判断せず、気になる症状がある場合は医療機関を受診してください。

ドライアイの主な原因は?

ドライアイは、加齢だけではなく、ライフスタイルや環境が原因で起こる場合もあります。また、男性よりも女性のほうがドライアイになりやすいと言われています*2。以下に、ドライアイの主要な原因を4つ挙げました。

原因① 加齢に伴う涙の量・質の変化

涙腺の分泌機能は年齢を重ねるごとに低下していくため、つくられる涙の量が減り、目が乾くなどの症状が出るようになります。また、脂質成分を分泌するマイボーム腺の機能が低下したり詰まったりして、目の潤いが保てなくなると、ドライアイが起こりやすくなります*4。マイボーム腺の機能低下は、ドライアイの原因全体の約86%を占めているとされています。

原因② パソコンやスマートフォンの使いすぎ

生活の中で、パソコンやテレビ、スマートフォンなどの画面を長時間見続ける機会が多いと、まばたきの回数が減少して涙の量が減り、目が乾燥していると感じることが多くなります。

原因③ コンタクトレンズの使用

ソフトコンタクトレンズを装用すると、レンズによって涙の層が内側と外側に分断されます。レンズの外側にある涙の層は薄くなってしまうことが多く、不安定になりやすいため、レンズ装用中は目が乾燥しやすいと感じることがあります。

参考:ドライアイとコンタクトレンズの関係について:
https://acuvuevision.jp/memamori/eye-health/9

原因④ エアコンの長時間利用

空調が効いた場所で長時間過ごしたり、エアコンの風に直接当たったりしていると、ドライアイのリスクが高くなります。また、空調による室内の乾燥もドライアイの原因になります。

このほかにも、血圧を下げる薬や向精神薬、抗がん剤の使用により、涙の分泌量が減ってドライアイになることがあります。また、まれではありますが、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患や、スティーブンス・ジョンソン症候群などの病気により涙腺が破壊され、ドライアイを発症することもあります。

ドライアイの治し方・改善方法は?

目薬を使うことで症状は改善しますが、残念ながら、治療を続ける必要がなくなり「完治した」といえる状態になることはありません。点眼などの治療を続け、症状をなるべく抑えていくことが大切です。

ドライアイの対処・治療法

ドライアイの原因や症状は、人それぞれ違うため、眼科医でなければ正しい診断・治療を行うことができません。放置しておくと、症状が悪化し、合併症を引き起こすことがありますので、少しでも気になったら、眼科医に相談しましょう。

対処・治療法① 目薬を使用する

ドライアイの症状が軽い場合は、市販の目薬で対処可能なこともあります。目の潤いを保つ効果があるコンドロイチンやヒアルロン酸ナトリウムなどが配合されている目薬を選びましょう。ただし、コンタクトレンズを使っている人は、目薬の成分がレンズを傷つけてしまうことがあるので気をつけましょう。医師に相談して、コンタクトレンズ装用時でも使用できる目薬を選んでください。初めて購入する場合は、薬剤師に相談するとよいでしょう。

対処・治療法② 眼科を受診する

ドライアイの症状が強くなってきた場合や、市販の目薬を使っても症状が改善しない場合は、眼科を受診しましょう。眼科では以下のような検査が行われます。

〇目の傷の有無を調べる「生体染色顕微鏡検査」
フルオレセインという黄~橙色の蛍光色素液を点眼した後、スリットランプと呼ばれる顕微鏡を使って目の表面を観察し、傷の有無や程度を確認します。

目の傷の有無を調べる「生体染色顕微鏡検査」

〇涙液の質を調べる「涙液層破壊時間(BUT)検査」
フルオレセインを点眼し、涙の層(涙液層)が壊れるまでの時間「涙液層破壊時間(BUT)」を測ります。正常な人では、まばたきを10秒間我慢しても涙液層が壊れることはありませんが、涙液の質が低下したドライアイの人では、5秒以内に涙液層が壊れてしまうことが多いです。生体染色顕微鏡検査と同じ染色液を使うので、多くの場合、BUT検査と生体染色顕微鏡検査は同時に行われます。

〇マイボーム腺検査
スリットランプを利用してマイボーム腺の開口部を観察します。また最近は、マイボーム腺の状態を観察できるマイボグラフィーという検査機器も登場しています。

ドライアイを予防するには?

予防法① 目を定期的に休ませる

上で述べた通り、ドライアイになりやすいライフスタイルや環境というものが存在します。まずは日常生活を見直し、ドライアイにつながる習慣や状況をなくすことから始めましょう。例えば、パソコンを使って作業をする場合は、1時間ごとに15分くらいの休みを取り、窓の外をぼんやり見たりするなどして、目を休めるとよいでしょう*5,6

予防法② まばたきを意識的に行う

デジタル機器の使用中は、ときどき目をパチパチさせるなど、意識的にまばたきの回数を増やしてください。目より高い位置にパソコンの画面があると、まばたきをしても完全に目が閉じない「まばたき不全」になることがあるので、画面が目よりも低い位置に来るようにパソコンを設置しましょう。

予防法③ 自分に合った眼鏡やコンタクトレンズを使う

眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないと、パソコンの画面など近くのものを見ながら作業をする時に、目が疲れやすくなります。必ず自分に合ったものを使用しましょう。また、パソコンを使用するときは、遠近両用のものや、パソコン用に処方されたものを使った方が目の疲れを防ぐことができるかもしれません。
コンタクトレンズの種類を変更してみるのも選択肢の一つです。最近では技術の進化にともない、新しいタイプのコンタクトレンズ素材が開発されており、レンズ表面の涙が安定しやすい、目の乾燥感を覚えにくい、上まぶたがスムーズに移動し摩擦を起こしにくい、などの特長をもったソフトコンタクトレンズも登場しています。興味がある方は、かかりつけの眼科に相談してみましょう。

参考:~アキュビュー® のコンタクトレンズ~
https://acuvuevision.jp/products/all-products

予防法④ エアコンを適切に使う

室内の冷暖房は空気を乾燥させます。エアコンを使用するときは、湿度を適切に保つことを心掛け、必要に応じて加湿器を使用しましょう。

予防法⑤ マイボーム腺をマッサージする

ドライアイ症状を訴える患者さんの多くは、マイボーム腺からの脂質の分泌が足りていないことが報告されています*4,7。そのため、マイボーム腺をマッサージして脂質の分泌を促すことで、ドライアイを予防できる場合があります。
具体的には、朝晩の洗顔時に、目を閉じた状態でまつ毛の生え際に指先をそろえて軽く当て、1~2ミリ左右に動かすことでマイボーム腺をマッサージします。また、目の周りを温めるのも効果的です。習慣にすると脂質の分泌がよくなり、涙の蒸発が抑えられます。

まとめ

ドライアイになると、「目が乾燥する」「目がゴロゴロする」などのつらい症状が長期間続きます。基本的に「完治」することはありませんが、治療をすれば症状を抑えることが可能です。ドライアイかも?と感じたら、眼科医に相談しましょう。

出典

  1. 中澤満他、標準眼科学第14版
  2. ドライアイ診療ガイドライン ドライアイ研究会診療ガイドライン作成委員会
  3. 公益財団法人 日本眼科学会
    https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=9
  4. de Paiva CS. Int Ophthalmol Clin. 2017 Spring;57(2):47-64.
  5. 公益社団法人 日本眼科医会ホームページ
  6. 令和元年7月12日付け基初0712第3号 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて 厚生労働省労働基準局編
  7. Chhadva P, et al. Ophthalmology. 2017 Nov;124(11S):S20-S26.
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