老眼とは?症状はいつから始まる?原因や矯正による対策方法

老眼とは?症状はいつから始まる?原因や矯正による対策方法

老眼とは?症状はいつから始まる?原因や矯正による対策方法

老眼とは?症状はいつから始まる?原因や矯正による対策方法

「近くのモノが見えづらくなった」「新聞の文字がかすんで見える」、加齢とともにこういった変化を感じる方は多いのではないでしょうか?これらは老眼の典型的な症状とされています。では老眼はどのようにして起こるのでしょうか?またどのように矯正すればいいのでしょうか?この記事では老眼について解説します。
作成日: 2022/12/13
更新日: 2024/08/19

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目次

 

老眼とは?

老眼とは、目のピント調節力が衰えることによって遠くがよく見える状態(矯正した状態)のときに近くのものが見えにくくなる現象のことです。年齢を重ねれば誰にでも起こります。

老眼になると、近くにある細かい文字が以前よりも見えにくくなります。この症状は、薄暗い場所にいるときに感じることが多いようです。また、遠くから近く、近くから遠くへと視野を移したときに、ピント合わせに時間がかかるようになります。

老眼による見づらさを我慢していると、目が疲れて痛みなどを感じることがあるほか、ひどい場合には、頭痛や肩こり、吐き気といった症状が現れることもあります。

老眼の原因と仕組み

私たちは、光を目で感知し、その情報を脳に送ることで、モノを見ることができます。

目において、カメラのレンズとよく似た機能をしているのが水晶体です。水晶体には、厚みを変化させて光の屈折を調節することで、目の奥にある網膜の上に像を結ぶ働きがあります。

近くのモノを見るときは、水晶体を厚くし、目に入ってきた光を大きく屈折させて、網膜上にきちんとピントが合うように調整します。若いときは水晶体が柔軟なので、簡単に厚みを変えられます。

しかし、年齢を重ねると、水晶体は弾力を失って硬くなります。その結果、手元を見ても水晶体が厚くならず、光を適正に屈折させることができなくなるため、網膜上に像を結ぶことが難しくなるのです。

網膜に像を結べなくなると、当然ながらモノがぼやけて見えます。つまり、老眼とは老化に伴う水晶体の硬化による調節異常なのです。

老眼の見え方の変化は何歳から始まる?

老眼の症状が現れる要素の1つとして、目の「近点」が挙げられます。近点とは、近視や乱視などの「屈折異常」がない状態(眼鏡やコンタクトレンズで矯正をした状態)でピントを合わせることができる目から最も近い位置のことです。

私たちは、近点よりも目に近いところにあるものにピントを合わせることができません。

目から近点までの距離は、下の図に示すとおり、年齢を重ねるごとに少しずつ長くなっていきます。つまり、近くのものにピントを合わせることが年々難しくなっていくのです。

近点の距離に個人差はありますが、30歳では14 cm前後、40歳では22 cm前後とされており、この程度近くまでピントを合わせることができれば、基本的に老眼の症状を自覚することはありません。

ピントが合う距離(近点)は年齢とともに遠くなります。 イメージ図

しかし、近点距離が約30 cmに達する45歳ごろになると、近くが見えづらいことに気づく人が多いようです。その理由は、多くの人が、本やスマートフォンを目から平均30 cm程度離して見ているためです。普段見ている距離にピントを合わせることが難しくなったときに、多くの人が老眼を自覚するのです。

【簡単】自分でできる老眼度数のセルフチェック方法! についてはこちら
https://acuvuevision.jp/memamori/how-eyes-work/318

老眼と遠視との違い

老眼と遠視はどちらもおなじ“プラスレンズ”を用いて矯正するために、しばしば混同されがちです。

遠視とは、目に入ってきた平行光線のピントが網膜よりも後ろで合ってしまう状態のことです。眼球の長さである眼軸が通常よりも短いことや、眼球が光を曲げる力が弱いことが原因です。目のピント調節機能が働いていない状態での光の曲がり方(屈折)の異常である「屈折異常」にあたります。

一方の老眼は、加齢とともに目のピント調節機能が衰えたことを原因とする「調節異常」です。両者は根本的に“何の異常なのか”が違うのです。しかし、矯正にあたっては、ともに光を曲げる力を補う“プラスレンズ”が必要になるため、混同されてしまうのです。

遠視 老眼 イメージ図

スマホ老眼との違い

最近は20~30代の若年層にも、老眼のような症状を訴える人が増えてきました。スマートフォンなどの長時間使用によって引き起こされるこの症状は、一般に「スマホ老眼」と呼ばれています。スマートフォンなどを至近距離で見続けることで、目のピント調節機能が低下してしまうために、老眼に似た症状が現れます。

スマホ老眼は、加齢による老眼とは違い、基本的に一時的な症状です。そのため、十分に目を休ませれば次第に回復します。しかし、症状が出ても「まだ若いから大丈夫だろう」などと考えてスマートフォンの長時間使用を続けていると、目以外の部分にまで悪影響が及ぶ可能性があります。目の不調を感じたら早めに眼科を受診しましょう。

「スマホ老眼」とは?若くても老眼になる? についてはこちら
https://acuvuevision.jp/memamori/how-eyes-work/5

老眼を放置した場合のリスク

リスク① ストレスの増加

老眼で近くが見えにくくなると、スマートフォンやパソコンで調べものをしたり、読書をしたりするときに不便を感じるようになります。また、外出先では、レストランやカフェで小さな文字のメニュー表が読めないなど、日常生活で見えづらいと感じることが多くなり、ストレスが溜まっていきます。

リスク② 目や体への負担

老眼による見えづらさを我慢し続けると、眼精疲労にまで発展してしまうことがあります。ひどい場合には、目の痛み、頭痛、肩こりなどの症状が現れることもあります。
また、もともと視力が良かった人の中には、老眼が進んでくると「足元がよく見えなくなった」と訴える人が多いと言われています。足元がよく見えないと、ものにつまずいたり、転倒したりする危険性が高まります1)。特に高齢の方の場合、転倒して骨折すると寝たきりになってしまうケースなどもありますので、老眼を放置しないことが大切です。老眼の症状を感じたら、早めに眼科を受診するとともに、自分に合った老眼鏡やコンタクトレンズで見え方を矯正しましょう。

老眼の矯正方法

一般的に老眼は、メガネやコンタクトレンズを使って矯正します。

メガネは、年々その種類が増えており、選択肢が広がっています。近くを見るために使用する老眼鏡(リーディンググラス)のほかにも、手元から遠くにまでピントが合う「遠近両用眼鏡」や、手元からおおむね室内までの範囲にピントが合う「中近両用眼鏡」なども販売されています。自分の生活スタイルに合わせ、目に負担のかからないレンズを選びましょう。

周りの人に老眼であることを気付かれたくないと思う方には、遠近両用コンタクトレンズがおすすめです。遠近両用コンタクトレンズには、遠近両用眼鏡と同じように、近くを見るための度数と遠くを見るための度数が両方入っています。1枚のレンズで近くも遠くも見えるようになるため、非常に便利です。

遠近両用コンタクトレンズの作成手順

Step 1 度数を決定する
装用するコンタクトレンズの度数を決定します。老眼鏡とコンタクトレンズの度数が一致するとは限らないため、すでに老眼鏡を持っている人でも、再度眼科で度数を調べてもらう必要があります。

Step 2 トライアルレンズをしばらく装用し、見え方を確認する
まずはトライアルレンズ(検査用のレンズ)を装用し、普段見ているものの見え方を確認します。ただし、遠近両用コンタクトレンズは、通常のコンタクトレンズとは見え方が異なることがあるため、慣れるまでに数日かかる人もいます。使い始めの度数が低いほうが慣れるのが早いと言われていますので、遠近両用コンタクトレンズに興味のある方は、老眼が進んでしまう前に一度試してみるのが良いでしょう。

Step 3 見え方を調整する
見え方に不満がある場合は、眼科で度数を調整します。場合によっては、レンズの度数を左右で違うものにすることで、見え方が改善することもあります。さまざまな調節方法がありますので、眼科医と相談しながら、ご自分に一番合った方法を選択しましょう。

老眼は誰にでも起こる

老眼は誰にでも起こる目の現象です。年齢を重ねると、誰もがいずれ経験することになります。よく「近視だと老眼にならない」といわれていますが、それは正しくありません。ただ、近視や遠視の有無や、その矯正方法によって、老眼を自覚する時期や見えづらさの程度に個人差が出てきます。老眼の初期段階では、自覚症状があっても老眼であることを認めなかったり、老眼鏡をかけるのをためらったりする人もいるのが実状です。

まとめ

老眼になったことを恥ずかしいと思い、老眼鏡などを使用しない人もいます。しかし、老眼を放っておくと生活にさまざまな支障がでてきてしまいます。

「老眼かもしれない」と思っても、別の原因があるかもしれません。まずは眼科に行き、老眼であるという診断を受けたら、しっかりと向き合うようにしましょう。

参考文献

  1. 鈴木武敏、日本転倒予防学会誌 15(1) 7-11, 2018

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