ブルーライトとは?

ブルーライトとは?

ブルーライトとは?

ブルーライトとは?

ブルーライトの影響や軽減させる方法を解説
LEDを使った照明やディスプレイの普及に伴い、それらの機器から発せられるブルーライトが話題にのぼるようになっています。ここでは、ブルーライトとはどういったものか、私たちにどのような影響を与えるのか解説した上で、注意点についてもご紹介します。
作成日: 2022/12/08
更新日: 2024/02/01

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目次

 

ブルーライトとは

ヒトの目で見ることができる光を可視光線と呼びます。このなかでも波長が短いものを「ブルーライト」と呼んでいます。ブルーライトは日本眼科学会1)では380~780nmと定義されていますが、これ以外にも様々な定義があります。一般的に光には、波長が短いほどエネルギーが高いという性質があるため、ブルーライトは可視光線の中でも特に高いエネルギーを持っている光であるといえます。
一方で紫外線はブルーライトと呼ばれるものよりも短い波長の光であり、人の目では見ることができません。
紫外線は、UV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。このうち、太陽から地上に届くのはUV-AとUV-Bの2種類で、そのほとんどが角膜や結膜で吸収されます。水晶体よりも奥にある網膜まで届くのは、UV-Aのうち可視光線に近い波長の部分のみです。一方、可視光線は全て網膜まで到達します。

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日常生活の中でブルーライトを発しているもの

LEDの普及に伴い、日常生活において太陽光以外から発せられるブルーライトを浴びる機会が増加しています。ブルーライトを発する機器には、LED照明のほか、液晶テレビやパソコン(PC)、スマートフォン(スマホ)のディスプレイなどがあります。ブルーライトの放出量は機器によって様々ですが、LEDが普及する前と比べて、私たちは長時間、至近距離でブルーライトを浴びる生活を送るようになりました。

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ブルーライトが人間に与える影響について

脳への影響

人類は何万年も前から、太陽の動きに合わせて生活してきました。人間の生活リズムは、太陽が作り出す約24時間の光周期によって作られており、このように作られた生物学的なリズムのことをサーカディアンリズムといいます。サーカディアンリズムは、脳波、ホルモン分泌、細胞の再生など、多くの生命活動においてみられる現象で、このリズムの維持にブルーライトが重要な役割を担っています。例えば、LED照明やスマホなどが発するブルーライトには覚醒作用(眠くならない作用)があるため、就寝前にブルーライトが目に入らないようにすることで、睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌が増加し、眠気が増すことが明らかになっています2)。逆に、ブルーライトを入眠直前まで浴びると、睡眠障害になる可能性が指摘されています。

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目への影響

動物や細胞を使った実験では、網膜が過剰なブルーライトにさらされると、細胞内で酸化ストレスが生じ、傷害をうけることが報告されています3),4)。しかし、ヒトの眼球においても同様の傷害が発生するかどうかは、まだわかっていません。また、PCやスマホなどのデジタルディスプレイから発せられるブルーライトの量は、晴天または曇りの日に私たちが窓越しに浴びる太陽光に含まれるブルーライトと同程度であり、網膜に傷害を生じるレベルではないことが示されています2)
太陽光は、小児の発育に好影響を与える可能性が示唆されています。小児では特に、十分な太陽光を浴びないと、近視が進行するリスクが高まる可能性が報告されています5)。そのため、日本眼科学会は、目の発達時期にある子供が太陽光の一部であるブルーライトをカットする眼鏡を装用することは、ブルーライトを浴びること自体よりも有害である可能性が否定できないとして、子供にブルーライトカット眼鏡を装用させるのは慎重に考えるべきとの見解を発表しています1)

太陽光に含まれる紫外線については、長期間にわたって紫外線を浴び続けると白内障を発症するリスクが高まることが知られている一方、短時間の日光浴は骨の成長と維持に重要なビタミンDの生成に必要であることも言われています。

ブルーライトの影響を軽減させる方法とは…

ブルーライトは可視光線の一部であり、色の識別などにも関与することから完全にカットしてしまうと視界が暗くなったり、色の識別に支障を生じたりしてしまいます。
しかし、ブルーライトを発するデジタルディスプレイの明るさを調節することは、スマートフォンなどのデジタル機器でできるようになってきています。まぶしさやちらつきが気になる場合は、これらの機能を試してみるのも良いでしょう。また、上述したように、ブルーライトには覚醒作用があるため、就寝前のPCやスマホの使用は控え、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ること6)で睡眠の質を向上させることができるかもしれません。
最近では、ゲームや動画視聴により、デジタルディスプレイを長時間見続けることが日常化しています。デジタル機器の長時間使用を控えることは、ブルーライトによる睡眠障害や目の疲労といった影響を軽減することにもなります。また、ブルーライトは、発生源(ディスプレイ画面)から離れるほど浴びる量が少なくなることや2)、目の疲れを軽減するという点から、PCの場合は40~50cm、スマホは30cm以上7)離して見るようにしましょう。

ブルーライトをカットする視力矯正方法

最近行われたある研究では、ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労を防ぐ効果は認められませんでした8)。しかし、普段PCやスマホを使用しているときにディスプレイのまぶしさが気になる方は、ブルーライトカット機能付きの眼鏡などを検討してみてもよいかもしれません。ただし、子供のブルーライトカット眼鏡については前述のとおり注意が必要です。

まとめ

最近は、生活のあらゆる場面で、ブルーライトを発するデジタル機器が使われるようになりました。ブルーライトが、まぶしさやちらつきといった眼の不快感を生じさせたり、睡眠障害につながる可能性があることを理解した上で、PCやスマホを上手に利用していくことが大切です。

参考文献

  1. 日本眼科学会 他.小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見、2021年
  2. 綾木雅彦 他.住総研研究論文集 42:85-95, 2016
  3. Ooe E et al. Mol Vis 23:52-59, 2017
  4. Narimatsu T et al. Clin Exp Ophthalmol. 42:555-563,2014
  5. Eppenberger LS et al. Clin Ophthalmol 14:1875-1890, 2020
  6. 厚生労働省 第2回 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会,2023年7)不二門尚 第13回日本眼科医会記者懇談会、2019年
  7. Singh S et al. Am J Ophthalmol, doi: 10.1016/j.ajo.2021.02.010, 2021

参照サイト

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