はやり目とは?原因や症状について

はやり目とは?原因や症状について

はやり目とは?原因や症状について

はやり目とは?原因や症状について

症状や原因、感染経路や注意点を解説
「はやり目」という病気を聞いたことがありますか?人から人へとうつる病気であるため、感染対策が重要です。ここでは、「はやり目」の原因や症状、予防法のほか、感染を広げないための対策についても解説します。
作成日: 2022/12/08
更新日: 2023/10/25

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目次

 

はやり目(流行性角結膜炎)とは?1)-3)

「はやり目」とは、ウイルスの感染で起こる流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つを指します。このうち、特定の種類のアデノウイルス(8、19、54型など)が原因の場合を、「流行性角結膜炎」といいます。「角結膜炎」とは、角膜や結膜の炎症という意味で、角膜(黒目の部分)と結膜(白目の部分)の両方に炎症が起きる可能性があるのが、この病気の特徴です。
原因であるアデノウイルスの感染は、人から人へと汚染された物など(感染者が使ったタオルなど)を介して拡がります。非常に感染力が強いため、地域や学校で集団感染が起きてしまうことも多いです。夏に多く発生する傾向がありますが、1年を通してみられる病気です。

はやり目(流行性角結膜炎)の症状とは?1)-3)

はやり目(流行性角結膜炎)にかかると、急に白目が赤くなって大量の目やにが出るほか、涙目やまぶたの腫れといった症状が現れます。はじめは片方の目にこれらの症状が現れて、4〜5日後にはもう片方の目にも同じ症状が出るケースが多いです。さらに、耳の前にあるリンパ節が腫れて、触ると痛みを感じることもあります。細菌など他の原因による結膜炎に比べて症状は重い場合が多いとされています。
また、発症から1〜2週間後に、黒目に小さい濁りが現れることがあります(正式には多発性角膜上皮下浸潤といいます)。この濁りは、まぶしさや目のかすみを引き起こすことがありますが、やがて自然に消えることが多いです。

ウイルス性結膜炎の種類とは?4), 5)

ウイルスが原因で起こる結膜炎(ウイルス性結膜炎)には、流行性角結膜炎のほかにも、咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)や急性出血性結膜炎などがあります。
咽頭結膜熱は、別名を「プール熱」といい、プールの水を介してうつることが多いとされている感染症です。原因ウイルスは、流行性角結膜炎とは違うタイプのアデノウイルス(3、7、11、55型)です。典型的な症状は、結膜炎、喉の痛み、発熱で、吐き気や下痢などを伴うこともあります。通常1週間程度で治りますが、治った後も数週間は便の中にウイルスが排出されるため、すぐにプールに入ることはできません。
急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス(70型またはコクサッキーA24変異株)によって起こる感染症です。症状は、アデノウイルスが原因の結膜炎に似ています。発症から1週間程度で治るケースが大半です。

? はやり目(流行性角結膜炎)の
 原因とは? 感染源は?3), 4)

アデノウイルスは、「血清型」という基準によってさまざまなタイプに分類されています。このうち、流行性角結膜炎を引き起こすのは、8型、19型、54型などとされており、年によって流行する血清型が変わると考えられています。2007年頃からは、それまで知られていなかったアデノウイルスの血清型も報告されはじめ、今ではこの新型のアデノウイルスが日本国内で流行性角結膜炎の流行を引き起こしていることが明らかにされています。
アデノウイルスは、感染力の強いウイルスとして知られています。基本的にこのウイルスは、接触感染によって広まっていきます。つまり、感染者に直接触れたり、感染者が触ったものに触れたりすることで、感染が広がっていくのです。職場や家庭などでは、ウイルスの付着したティッシュペーパーやタオル、洗面器などを介して感染してしまうケースが多いようです。また、人が密に集まる場所では、接触だけでなく、会話をしたときなどに口から出る飛沫を介して感染拡大が起こる可能性もあります。

! はやり目(流行性角結膜炎)の
治療方法とは?2)-5)

流行性角結膜炎に対する特効薬は今のところなく、感染した本人の免疫力によってウイルスが排除されるのを待つしかありません。十分な栄養と休養をとり、免疫力を落とさないようにすることが大切です。
ただし眼科では、症状を和らげる目的で薬を処方されることがあります。炎症を鎮める効果のある非ステロイド性抗炎症薬やステロイドの入った目薬を処方される場合が多いです。
また、冷たい水につけたタオルなどで目の周りを冷やすと、症状が和らぐ場合もあります。

治るまでの期間はどれくらい?
外出はNG?2)-5)

はやり目(流行性角結膜炎)は、発症から1週間前後で症状のピークをむかえた後、しだいに回復へと向かい、2〜3週間後には治るケースが大半です。ただし、症状が治まってきた頃に、角膜の表面に小さな点状の濁りが出てくることがあります。この濁りはしばらく消えない場合が多く、治療をやめてしまうと角膜がさらに濁って視力が落ちることがあるので、眼科医の許可が出るまでは治療をやめてはいけません。
はやり目の場合、発症から2週間ほどは他の人に感染させてしまう可能性があるとされています。発症から日が浅いほど感染させてしまう危険性は高いので、この時期は自宅で療養してください。なお、流行性角結膜炎は学校保健安全法上の学校感染症の1つで、児童に限らず大人が感染した場合も原則として完治するまで1週間程度出席停止になります。眼科医に治ったことを確認してもらってから登校してください。職場でも、他の人に感染させてしまう可能性がありますので、原則として仕事も休んでください。

はやり目を他の人にうつさない方法2)-4)

はやり目は非常に感染力の強い病気です。かかってしまった場合には、他の人にうつさないよう、しっかりと感染対策を行いましょう。具体的には、次のような対策が有効とされています。

対策1
石鹸を使って手をよく洗う
対策2
タオルやハンカチを家族と共有しない
対策3
症状が出ている側の目を触った後に、もう片方の目を触らない
対策4
目やにや涙が出る場合は、ティッシュペーパーなどで拭き取りすぐに捨てる

まとめ

はやり目は、ウイルス性結膜炎の中でも比較的症状が重く、感染力が非常に強い病気です。そのため、もしかかってしまったら、ほかの人にうつさないための配慮が必要になります。感染予防に関する正しい知識を身につけ、適切な対策をとりましょう。

参照サイト

参考文献・サイト

  1. MSDマニュアル家庭版
    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
  2. 公益社団法人 日本眼科医会
    https://www.gankaikai.or.jp/health/27/05.html
  3. 国立感染症研究所
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/528-ekc.html
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/
  4. MSDマニュアル プロフェショナル版 ウイルス性結膜炎 - 17. 眼疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
    https://msdmanuals.com
  5. 公益財団法人 日本眼科学会
    https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=14
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