コンタクトレンズをつけたまま寝るリスクとは?

コンタクトレンズをつけたまま寝るリスクとは?

コンタクトレンズをつけたまま寝るリスクとは?

コンタクトレンズをつけたまま寝るリスクとは?

コンタクトレンズをつけたまま、うっかり眠ってしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。帰りが遅かったり、疲れていたりすると、外すのが面倒だったり、忘れてしまったり、ということがあるかもしれません。しかし、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまうと、目に大きな負担がかかり、場合によっては目のトラブルを招いてしまうことがあります。ここでは、コンタクトレンズをつけたまま眠ってしまったときに目にどのような影響が及ぶか、そして、その結果どのようなトラブルにつながるか解説します。
作成日: 2022/12/13
更新日: 2024/05/16

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目次

 

コンタクトレンズをつけたまま寝てはいけない理由

起きている時の目は、空気中から酸素を取り入れています。ところが、寝ている間はまぶたを閉じてしまうため、酸素の供給量が減ってしまいます。コンタクトレンズを装用したまま寝てしまうと、さらに酸素の供給量が減ってしまい、角膜(黒目)に必要な酸素が十分に届かなくなってしまいます。目が酸素不足になると、角膜表面のバリア機能が低下してしまい、感染症を引き起こす可能性があります。寝るときには、必ずコンタクトレンズを外しましょう。*眼科医の処方を受けた連続装用可能なレンズの場合を除く

コンタクトレンズをつけたまま寝たらどうなるの?

コンタクトレンズをつけたまま寝てしまうと、具体的には、次のような目のトラブルにつながることがあります。

・目の充血、痛み
寝ている間は涙の分泌量が低下するため、コンタクトレンズに汚れなどがついていても、涙で洗い流されることがありません。その結果、コンタクトレンズ表面で細菌などが繁殖しやすくなり、目の充血や痛みにつながることがあります。

・コンタクトレンズが目に張りつく、ずれる
寝ている間にコンタクトレンズが乾燥して目に張りついてしまったり、まぶたの裏深くに入ってなかなか出せなくなったりすることがあります。焦って無理に取り出そうとすると、角膜を傷つけてしまうので注意が必要です。

・さまざまな目の障害(主に角膜)
角膜に関連したさまざまなトラブルが引き起こされる可能性があります。
酸素不足が続くと、上皮の健康が損なわれ上皮障害が起きたり、バリア機能の低下があいまって感染しやすくなったり、通常あるはずのない血管が角膜に向かって伸びてきたりします(角膜血管新生)。このような状態が進行すると、角膜が濁ってしまうことがあるほか、視力障害に発展する場合もあるため、早めの対処が必要です。

コンタクトレンズをつけたまま寝ている時の目の状態は

上記のような目のトラブルが生じる主な原因は、コンタクトレンズ装用による酸素不足や、睡眠時の涙の分泌量の低下です。
角膜は、必要な酸素を目の表面から取り入れています。そのため、まぶたが閉じている間、つまり睡眠中は、たとえコンタクトレンズをつけていなくても、角膜に届く酸素の量が少ない状態にあります。そこへ加えて、コンタクトレンズで角膜の表面を覆ってしまうと、角膜に届く酸素の量をさらに減らしてしまうことになります。酸素透過性の高いコンタクトレンズであっても、つけたまま寝てしまうと、角膜に十分な酸素が届かなくなってしまう可能性があるのです。
また、睡眠中は涙の分泌量が減りますが、コンタクトレンズをつけていると、さらに目が乾燥しやすい状況を作ってしまいます。すると、上で紹介したように、レンズに付着した細菌などが繁殖しやすくなったり、コンタクトレンズが目に張りついてしまったりします。
「コンタクトレンズをつけたままうっかり眠ってしまう」という経験は、比較的多くの人がしているかもしれませんが、実は目に大きな負担がかかっていることを知っておいてください。この「うっかり」を繰り返すと、気づかないうちに目の状態が悪化し、取り返しのつかないことになる可能性もありますので、寝る前には必ずコンタクトレンズを外しましょう。

コンタクトレンズをつけたままの昼寝も避けたほうがいいの?

「短時間の昼寝なら、コンタクトレンズをつけたまま寝てしまっても、それほど問題はないのでは?」と思うかもしれません。しかし、上でも説明したように、短時間であっても、コンタクトレンズをつけたまま眠ることは目に大きな負担となります。何度も繰り返すと、気づかないうちに目の状態が悪化することもありますので、コンタクトレンズをつけたままの昼寝はやめましょう。

コンタクトレンズをしたまま寝てしまったら?

うっかりコンタクトレンズをしたまま寝てしまった!という時には、速やかに外し、目を休ませるようにしましょう。

つけたままのコンタクトレンズを外す際に注意すること

コンタクトレンズをつけたまま眠ってしまい、起きたときにコンタクトレンズが目に張り付いてしまって焦ったという経験はありませんか?このような状況になったとしても、無理に外そうとしてはいけません。コンタクトレンズが破損して目の表面を傷つけてしまうと危険だからです。まずは手を石鹸でよく洗い、焦らず落ち着いて外しましょう。外れにくい場合には、人工涙液(いわゆるコンタクトレンズ用の目薬)で目を潤しましょう。ただし、目を潤す際、特にソフトコンタクトレンズの場合は、水道水を使わないでください。
また、ハードコンタクトレンズの場合に多いのですが、コンタクトレンズがズレてまぶたの奥の方に行ってしまい、元の位置になかなか戻せなくなった、という経験がある人もいるでしょう。このような状況になった場合も、落ち着いて対処することが大切です。目の構造上、実際に目の裏側や目の中にコンタクトレンズが入ってしまうことは絶対にありません。
万が一、どうしても自分でコンタクトレンズが外せなくなった場合には、眼科を受診しましょう。また、コンタクトレンズを外そうとして悪戦苦闘しているうちに、目の表面を傷つけてしまっている可能性もありますので、眼科できちんと診てもらうとよいでしょう。

まとめ

コンタクトレンズをつけたまま寝てしまうと、目の表面に十分な量の酸素や涙が届かなくなり、さまざまな目のトラブルにつながる可能性があります。どんなに疲れていても、寝る前にはコンタクトレンズを外してください。もしもコンタクトレンズを装用したままうっかり寝てしまい、起きたときに目の異常を感じた場合は、眼科を受診して目が傷ついていないか確認してもらいましょう。

参考サイト

参考文献

  1. 西田 輝夫 顕微鏡43(2), 99-103, 2008
  2. 中込 亮太ら, 日本視能訓練士協会誌49 ,91-96, 2020
  3. 外園千恵, 日本コンタクトレンズ学会 コンタクトレンズオンライン市民公開講座
    https://www.youtube.com/watch?v=fkkS-KTmoaI&t=802s

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