コンタクトレンズの装用時間の目安とは?標準的な時間や長期使用の注意点も解説
コンタクトレンズの装用時間とは?
コンタクトレンズの装用時間とは、1日あたりの適切な装用時間のことです。この時間は、コンタクトレンズの種類や製品によって異なるため、適切な装用時間は、各製品の添付文書でご確認ください。ただし、装用に慣れるまでの期間や適切な装用時間、目の状態には個人差がありますので、自己判断せず、眼科医の指示に従ってください。特に、初めてコンタクトレンズを使用する方の場合、いきなり長時間装用するのではなく、少しずつ装用時間を延ばして様子を見るようにしましょう。
なお、アキュビューⓇ の1dayタイプ(1日使い捨て)のコンタクトレンズの場合、ほぼ全ての添付文書の装用スケジュールの項に、「終日装用(標準的な装用時間:12~14時間)」と記載されています1)。
装用時間を守らないとどうなるか
コンタクトレンズの装用時間を守らず、長時間にわたって無理な装用を続けていると、さまざまな目のトラブルを引き起こす可能性があります。
角膜(くろ目)には血管がないため、主に涙を介して空気中から酸素を取り入れています。ところが、コンタクトレンズは角膜の表面を覆ってしまうため、長時間装用していると酸素不足に陥り、障害をきたす場合があります。また、目が乾燥し、レンズ汚れが蓄積しやすくなるので、レンズのくもりや目の感染症などのトラブルにつながる可能性が高くなります。目の健康を保つためには、眼科医に指示された装用時間を守り、コンタクトレンズを正しく使用するようにしましょう。
こんな方は長時間装用に要注意!
残業や塾、習い事などで帰宅が遅いと、コンタクトレンズの装用時間が長くなりがちです。コンタクトレンズを外す前に、疲れてうっかり寝てしまうことも少なくないでしょう。また、コンタクトレンズを装用したままゲームやネットサーフィンに没頭し、気がつけば夜中の2時、3時といった生活を送っている方も、長時間装用に注意が必要です。
このような方は、帰宅して手を洗ったら、その手でコンタクトレンズを外すようにしましょう。長時間装用だけでなく、うっかり寝てしまうといったアクシデントを防ぐことができます。
まとめ
コンタクトレンズの装用時間を守ることは、目の健康を保つ上でとても大切です。ただし、適切な装用時間には個人差があるので、眼科医に相談の上、正しく使いましょう。
<参考資料>
- アキュビューⓇ 各製品添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch - 糸井 素純:「あなたは大丈夫?コンタクトレンズ障害」 第1版 マキノ出版, 2000
- 坪田 一男 他 編:「眼科プラクティス 27.標準コンタクトレンズ診療」 第1版 文光堂, 2009
- 中澤 満 他 編:「標準眼科学」 第14版 医学書院, 2018
- 公益財団法人 日本眼科学会:角膜内皮障害
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=18