コンタクトレンズで目が痛い場合の対処法は?注意点を解説
コンタクトレンズ装用時に目が痛いと感じる場合の理由とは?
コンタクトレンズ装用時に目が痛いと感じる場合の理由として、次のようなものが考えられます。痛みがある場合は無理して装用せず、眼科を早めに受診してください。
目に異物が入っている
コンタクトレンズをつけているときに急な痛みを感じたら、黒目とコンタクトレンズの間に砂やほこりなどが混入している可能性があります。コンタクトレンズをはずしてレンズと目を洗ってみましょう。それでも痛みが残る場合は、眼科を受診するようにしましょう。
目が乾燥している
コンタクトレンズ装用時は目の表面の涙の層が分断され、レンズ上の涙は薄く不安定な状態になります。その状態でまばたきをすると、レンズと上まぶたの間に摩擦が生じて、異物感や痛みを覚えることがあります。
レンズにキズがある・レンズが変形している
コンタクトレンズ自体にキズや変形が生じている場合にも目が痛いと感じます。レンズが古かったり、こすり洗いが過度であったり、手指が荒れていたり、ソフトコンタクトレンズが完全に保存液に浸かっていなかったり、さまざまな原因でコンタクトレンズにキズや変形が生じます。
感染症が起きている
細菌やウイルスに感染して目が炎症を起こしている場合、痛みを感じることがあります。ゴロゴロした感じ程度である場合も、激しい痛みである場合もあります。多くの場合、充血や、目やにも伴います。症状を感じたら、コンタクトレンズをはずして眼科を受診してください。
眼精疲労
眼精疲労になると、特に目の奥のほうに痛みを感じるようになります。コンタクトレンズ装用者が眼精疲労を起こしてしまうケースとしては、コンタクトレンズの度数が手元の作業(パソコン操作など)に適していない、眼科をしばらく受診していないことで気づかないうちにレンズの度数が合わなくなっている、コンタクトレンズを継続的に長時間使用している、などが挙げられます。
酸素不足
酸素透過性の高いコンタクトレンズであっても、一定時間以上装用し続けていると、しだいに目が酸素不足になってくることがあります。酸素不足になると、角膜(黒目)が傷つきやすくなるため、目の痛みにつながることがあります。
レンズ装用時に痛みを感じにくくする工夫とは?
コンタクトレンズは素材によって、特徴が異なります。眼科医に相談して適切な処方をしてもらってください。
まばたきによる摩擦の軽減
まばたきをする際の、まぶたとレンズの間で生じる摩擦は、コンタクトレンズ装用時の乾燥感やゴロゴロした痛みにつながります。
酸素透過性の改善
酸素透過率は、大気中の酸素がコンタクトレンズをどのくらい通りやすいのかを示した数値です。酸素が通りやすい、つまり酸素透過性の高いコンタクトレンズも存在しています。但し、酸素透過性が高いことは装用時の痛みとは直接関係しません。しかし、酸素不足の角膜では感染症をおこしやすくなってしまいますので、コンタクトレンズの酸素透過率の高いレンズへ変更することは、目のトラブルを防ぐために大切な工夫なのです。酸素透過率は重要な指標ではありますが、高ければ高いだけ良いということではなく、この酸素透過率が80%以上の場合は、角膜上の酸素の量は横ばいとなります。
装着薬(装着液)を使用する
コンタクトレンズのケア用品には、装着薬(または装着液)というものがあります。装着薬にはヒアルロン酸などの保湿成分が含まれており、コンタクトレンズ装用前に使用すると、レンズと目の間の潤いが保たれ、装用時の異物感を抑えることができます。製品によって成分が異なりますので、実際に自分の目に合ったもの、使用しているコンタクトレンズのタイプに適したものを選んでください。
コンタクトレンズをつけた時に目の痛みを感じる時の対処法
コンタクトレンズをつけた時に、目の痛みを感じるということは、目に何らかのトラブルが起こっているサインです。目に痛みを感じたら、すぐにコンタクトレンズをはずしましょう。そのうえで、次のような形で対処してみてください。
眼科を受診する
上記の解説のとおり、コンタクトレンズ装用時に痛みを感じる原因はさまざまです。原因を見つけることが難しい場合もありますので、特に痛みが続いているようであれば、安易に自己判断して対処することは避けてください。症状が悪化しないうちに眼科で検査・診察を受け、適切な治療を受けましょう。
また、もし定期検査を受けていないのであれば、コンタクトレンズが現在の自分の目に合っているか確認するためにも、一度受診することをおすすめします。
レンズが清潔になっているか確認する
コンタクトレンズを清潔に管理できているか確認しましょう。レンズ自体はもちろんですが、保存液やケースなどに細かいゴミや細菌などが付着していても、目の痛みにつながることがあります。洗浄・すすぎ・保存・消毒といった日々のレンズケアを正しく行えているか、もう一度チェックしてみてください。特に保存液に関しては、レンズに合ったものを使っているか、きちんと交換しているか、つぎ足しなどをしていないか、使用期限を守っているか、などを確認しましょう。また、保存ケースも常に清潔に保たれていることを確かめてください。
なお、レンズ(特にソフトコンタクトレンズ)を水道水の中で保存してはいけません。水道水にはアカントアメーバなどの微生物がいることもあり、感染症を起こす可能性があるからです。レンズを保存する際は、必ず保存液を使いましょう。
コンタクトレンズを正しく使用できているか確認する
コンタクトレンズを正しく使えているかどうか、説明書を読み直して確認しましょう。特に、コンタクトレンズを長時間装着していないか、眠る時には外しているか、つけ外しの時には手を石鹸で洗い清潔にしているかなど、細かい部分まで見直してみてください。コンタクトレンズは、「医療機器」であるということを常に意識して、正しい方法で使用することを心がけてください。
目が痛くなりにくいコンタクトレンズの選び方
コンタクトレンズを使用している人は、使用していない人より目が乾燥しやすく、ドライアイになりやすい傾向があります。乾きによる目の痛みを予防するには、含水率の低いコンタクトレンズを選ぶことも一つの方法です。含水率とは、レンズに含まれる水分量の指標です。一般に、含水率50%以上を「高含水レンズ」、含水率50%未満を「低含水レンズ」といいます。高含水レンズの方が良いように思えるかもしれませんが、実は低含水レンズの方が元々含んでいる水分が少なく、蒸発していく水分の量も少ないため、目のうるおいが維持されやすいという報告もあるようです。また、シリコーンハイドロゲルといわれる素材のコンタクトレンズは、低含水でも酸素透過率が高いため、目の疲れや乾きが生じにくいといわれています。
コンタクトレンズの度数や形状が目に合っていないことも、目が疲れたり、ゴミが入りやすくなったりする一因となります。コンタクトレンズが自分の目に合っているかどうか、定期的に検査を受けてチェックしましょう。
まとめ
コンタクトレンズで目が痛いと感じるときは、異物の混入や目の乾燥、レンズ自体のキズなど、さまざまな理由が考えられます。最近のコンタクトレンズには、目の負担を軽減するさまざまな工夫がなされていますので、自分に合った製品を選ぶことでより違和感なくコンタクトレンズを装用することができるかもしれません。装用感に関しても気になることや希望があれば眼科医に相談して、目の状態にあうコンタクトレンズを選んでもらいましょう。
参考サイト
- コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)
https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=298&dispmid=909 - 公益社団法人 日本眼科医会 https://www.gankaikai.or.jp/
- 日本コンタクトレンズ学会 http://www.clgakkai.jp/
- 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会 http://www.jcla.gr.jp/
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0015.html - MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB
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