
コンタクトレンズを表裏逆につけてしまった場合の目への影響と表裏を見分ける方法を解説!

コンタクトレンズの表裏が決まっている理由
コンタクトレンズの形状は、角膜(黒目)の丸みに合わせて設計されています。つまり、角膜が描いているカーブと、レンズが描くカーブがうまくフィットするような形に作られているのです。しかし、レンズが表裏逆になると、形状が変わってしまうため、角膜にうまくフィットしなくなります。
コンタクトレンズが目にしっかりとフィットしていないと、本来の矯正効果を得られないばかりか、目がゴロゴロするなど違和感が生じる可能性があります。そのため、コンタクトレンズを装用する前には、表裏が正しい向きになっているかを常に確認する必要があるのです。
コンタクトレンズの表裏の見分け方
コンタクトレンズの表裏は、次のような方法で確認することができます。
レンズの縁(ふち)の形で見分ける
コンタクトレンズの表裏を見分ける方法の一つとして挙げられるのが、縁の形で見分ける方法です。
指先にレンズをのせて、レンズの縁がどのような形になっているのか確かめてみてください。レンズが表側になっている(正しい)場合には、レンズはお椀のような自然なカーブになります。反対にレンズが裏側になっている(誤っている)場合には、少し反ったような形になります。

レンズの表裏識別マークで見分ける
表裏識別マークがついている製品の場合は、このマークを使って表裏を見分けることができます。
アキュビュー® シリーズのコンタクトレンズの場合、表裏を識別できるように”123”という数字が入っています(下図)。 ※一部対応していない製品もあります。
指先にレンズをのせたときに、左から”123”と読める向きが表側、”321”と反転して見える向きが裏側です。
レンズに識別マークが記されていることでレンズの表裏に迷うことなく装用することができます。

<イメージ図>

<イメージ図>
コンタクトレンズを表裏逆につけるとどうなる? 目に生じる影響は?
ソフトコンタクトレンズを誤って表裏逆につけてしまうと、多くの場合、次のような症状が現れます。
目の中でレンズがずれる
上でも説明した通り、コンタクトレンズは目にしっかりとフィットし、黒目からずれないように作られています。しかし、表裏逆に装用してしまうと、レンズがうまく目にフィットせず、目の中でずれてしまうことがあります。また、レンズがずれていると、見えにくいと感じることがあります。
異物感が生じる
ソフトコンタクトレンズは、目によくフィットし、装用感が良いのが特徴ですが、表裏が逆の場合、ゴロゴロとした異物感・違和感が生じます。
コンタクトレンズの表裏を確認・つけ直す際のポイント
コンタクトレンズの装用前には、まず、レンズの表裏を確認しましょう。確認する際には、目で見るだけでなく、指で触ったりつまんだりするので、手指を石鹸で良く洗い、清潔にしておくことが大切です。手が汚れていると、その汚れが直接目に入ってしまったり、レンズに傷がつく原因になったりしますので、コンタクトレンズを触るときには、常に手指を清潔にしておくことを習慣づけてください。
破損したレンズを装用すると、目を傷つけることがあるので気をつけましょう。レンズに傷がつくと、汚れが付着しやすくなり、目のトラブルを招いてしまうことがあります。また、レンズを扱うときには、爪でレンズを傷つけないようにしましょう。特に爪を伸ばしている人などは、注意してください。
コンタクトレンズには、ソフトタイプとハードタイプがありますが、それぞれつけ方、外し方が違います。正しい方法を覚えて、丁寧につけ外しを行いましょう。
参考:コンタクトレンズの正しい外し方のコツは?対処法と注意点を解説:
https://acuvuevision.jp/memamori/contact-lenses/054
ソフト・ハードを問わず、コンタクトレンズを外そうとする際に、乾燥のせいでレンズが目に張り付いてしまい、うまく外せないことがあります。そのような場合には、目薬をさして目に潤いを与えてからコンタクトレンズを外す方法があります。ただし、その際には、防腐剤を含まない人口涙液の目薬を使用しましょう。
なお、市販の目薬を使用する場合には、コンタクトレンズに関する注意書きをよく読んでから使用してください。医師から処方された目薬を用いる場合は、医師の指示を守って正しく使用しましょう。
参考:コンタクトレンズが外れない・取れないときの原因と対処法!眼科に行くべき?:
https://acuvuevision.jp/memamori/contact-lenses/056
コンタクトレンズの表裏を間違えてしまったときだけでなく、装用後に違和感があってコンタクトレンズをつけ直そうとしたときなどには、洗浄液などのケア用品が必要になります。外出時につけ直しが必要になった場合に備えて、洗浄液などは常に携帯しましょう。なお、1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズは、一回外してしまうと、再び使用することができませんので、予備のレンズを持っておくことも大切です。
コンタクトレンズは、直接目に装用する「高度管理医療機器」です。誤った使い方をしたり、ケアを怠ったりすると、さまざまなトラブルにつながってしまうことがありますので、慎重に取り扱ってください。
参考:正しいコンタクトレンズのケア方法:
https://acuvuevision.jp/memamori/contact-lenses/028
表裏は合っているのに目に違和感がある場合の原因と対処法
コンタクトレンズの表裏をきちんと確認して装用したのに、それでも違和感がある場合には、どのような原因が考えられるでしょうか? 可能性としては、コンタクトレンズに問題がある、目に何らかのトラブルが生じているなどが考えられます。
コンタクトレンズに問題がある場合
コンタクトレンズが自分の目に合っていないと、装用時にゴロゴロする、というような異物感が生じることがあります。コンタクトレンズは、度数だけでなく、フィッティングについても、個人に合ったものを選ばなければなりません。初めて購入する際には、眼科で検査を受けた上で、自分に合ったレンズを処方してもらってください。間違っても、自己判断で適当に購入したコンタクトレンズを使用してはいけません。
眼科でちゃんと処方を受けたコンタクトレンズなのに、装用時に違和感がある場合は、レンズに細かい傷がついていたり、ゴミが付着していたりする可能性があります。1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズでは、初めからレンズに傷があることはほとんどありませんが、それ以外のレンズタイプの場合には、使っているうちにレンズに傷がつくこともあります。違和感があるときには一度レンズを外し、洗浄し直すか、新しいレンズと交換してみましょう。レンズに汚れが付着している場合も同様の処置を試してみてください。
目に何らかのトラブルが生じている場合
レンズには問題がないのに装用時の違和感が消えない場合は、目自体に何らかのトラブルが起きているのかもしれません。具体的には、目の乾燥やアレルギーのほか、角膜に傷ができていることなどが考えられます。目に問題がある状態でコンタクトレンズを装用し続けると、症状が悪化することがありますので、装用時の違和感が続くときは、速やかに眼科を受診しましょう。
参考:目がゴロゴロする原因は?痛みやかゆみがある場合の対処法もご紹介:
https://acuvuevision.jp/memamori/eye-health/315
まとめ
コンタクトレンズの誤った装用は目のトラブルの原因になる可能性があります。コンタクトレンズを装用する前に、表裏が合っているか確認する習慣をつけましょう。
参考サイト
- 公益社団法人 日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/ - 公益財団法人 日本眼科学会
https://www.nichigan.or.jp/ - コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/contact_lens2.pdf - 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会
https://www.jcla.gr.jp/index.html - 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 知っておきたいコンタクトレンズのはなし
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0015.html - 政府広報オンライン その使い方で大丈夫?コンタクトレンズによる目のトラブルにご注意を!
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201712/1.html



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