ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの特徴や見え方の違いについて
コンタクトレンズの種類について
コンタクトレンズにはさまざまな種類があり、大きく「ソフトコンタクトレンズ」と「ハードコンタクトレンズ」に分けられます。
ソフトコンタクトレンズとは?
ソフトコンタクトレンズは水分を含んだ柔らかい素材のプラスチックでできています。そのため、ハードコンタクトレンズと比べると装用した際の違和感が少ないという特徴があります。また、直径はハードコンタクトレンズより大きく、ズレにくいとされています。
比較的つけ心地がよいため、初めてコンタクトレンズをつける際は、ソフトコンタクトレンズの方が慣れやすいかもしれません。
ソフトコンタクトレンズには乱視矯正用のレンズがありますが、ハードコンタクトレンズでないと矯正できない場合もあります。
詳しいソフトコンタクトレンズの種類・違いについてはこちら
https://acuvuevision.jp/memamori/contact-lenses/025#heading2-3
ハードコンタクトレンズとは?
ハードコンタクトレンズは水分を含まない硬い素材のプラスチックでできています。また、目に必要な酸素が届きやすいという特徴があります。レンズの直径はソフトコンタクトレンズよりも小さいです。
1枚のレンズの寿命が2~3年程度*であり、ソフトコンタクトレンズのように、1日使い捨てタイプ、2週間使い捨てタイプなどはありません。
*個人差があります
ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違い
各タイプのレンズには、次のような違いがあります。
装用感
ソフトコンタクトレンズは、柔らかくて目になじみやすく、装用感が良いのが特徴です。一方、ハードコンタクトレンズは、レンズにほとんど水を含まない硬い素材でできているため、ソフトコンタクトレンズに比べて装用時に異物感を生じやすく、慣れるまでに少し時間がかかりますが、目やコンタクトレンズの異常があったときには気付きやすいといわれています。
酸素透過性
コンタクトレンズを長時間装用する場合には、酸素を通しやすい(酸素透過性の高い)レンズのほうが目に負担が少ないといわれています。ソフトコンタクトレンズは、以前は酸素透過性の低い(水分を多く含むレンズ)素材を使用していたものが多かったですが、現在では、水を含まずとも高い酸素透過性が得られるシリコーン素材を用いた、「酸素を多く通す」ことと「乾きにくく強度がある」ことの両方を可能にしたシリコーンハイドロゲルレンズが世界中で販売されています。
大きさ
ソフトコンタクトレンズは、直径約13.8〜14.5mmと大きいため、目の中でズレにくく、レンズの下にゴミなどが入りにくいという良さがあります。ハードコンタクトレンズは、直径約8〜9mmとやや小さいため、ソフトレンズに比べると衝撃で外れたり、ズレたりしやすいとされています。
見え方
ハードコンタクトレンズの材質はソフトコンタクトレンズより硬く、高い矯正効果が期待できるため、強度近視や乱視の方では、ハードコンタクトレンズの方が向いている場合があります。
レンズの寿命
ソフトコンタクトレンズは、乾燥したり汚れがつきやすかったりするため、一定期間ごとに新しいものと交換します。一方、ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズに比べて耐久性に優れており、長期間使用できます。
乱視矯正力
ソフトコンタクトレンズは、近視、遠視、乱視などの矯正に使われていますが、乱視の矯正には限界があります。
ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズと同様、近視、遠視、乱視の矯正に使用できます。ソフトコンタクトレンズに比べて素材が硬くレンズが変形しにくいため、レンズと黒目の間を涙で埋めることができ(涙液レンズ)、黒目の表面の凸凹を補正することができます。そのため、ハードコンタクトレンズは不正乱視(通常なめらかになっている目の屈折面が不規則にゆがんでいるために起こる乱視)の矯正にも使用できます。
レンズケア
ソフトコンタクトレンズは、乾燥しやすく、ハードコンタクトレンズよりも汚れがつきやすいです。1日使い捨てタイプ以外は、消毒などのケアが毎日必要です。
一方、ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズに比べて比較的ケアが簡単です。
「ソフトコンタクトレンズ」と「ハードコンタクトレンズ」はどっちが良いの?
ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズについて、それぞれの特徴を下の表に示します。装用の目的、ライフスタイル、装用環境をよく考え、眼科医とよく相談した上で、ご自身に合ったレンズを選んでください。
「ソフトコンタクトレンズ」と「ハードコンタクトレンズ」の比較
ソフトコンタクトレンズ | ハードコンタクトレンズ | |
視力矯正 | 不正乱視/強い乱視には向かない | 乱視(不正乱視も)矯正できる |
装用感 | ハードコンタクトレンズより良好、慣れやすい | ソフトコンタクトレンズより異物感があり、慣れるのに時間がかかる |
感染症などのリスク | ハードコンタクトレンズより高い | ソフトコンタクトレンズより低い |
眼やレンズの異常 | 気づきにくい | 気づきやすい |
スポーツ時 | ズレにくい 衝撃に強い 色々なスポーツに適している |
汗や衝撃でズレたり外れたりすることがある |
ケア | 1日使い捨てタイプは必要なし (定期交換タイプ、頻回定期交換タイプは消毒が必要) |
消毒が必要 ケアしやすい |
交換スケジュール | 1日、2週間、1か月タイプ(頻回・定期交換タイプ)、コンベンショナルタイプ(手入れをしながら長期間使用するレンズ) | 3か月タイプ、長期間使用タイプ(2~3年) |
その他の用途 | カラーレンズ、サークルレンズ |
コンタクトレンズの正しい外し方
ソフトタイプとハードタイプいずれの場合でも、レンズを目から外す前には、手をよく洗って清潔にし、目やレンズを傷つけないよう爪を短く切っておきましょう。
レンズを目から外す際に気をつけるポイントは、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズで異なります。
ソフトコンタクトレンズの外し方:レンズを直接つまんで外します。人さし指でレンズに触れ、レンズを少し下にズラしながら、親指と人さし指の腹でレンズの下の方をつまんで外します。目やレンズに爪が当たらないよう気をつけましょう。
ハードコンタクトレンズの外し方:まばたきを利用する方法と、まぶたを利用する方法の2種類があります。
まばたきを利用して外す場合は、レンズを外す目と同じ側の人さし指を目尻に当てて、横に引っ張ります。この状態で軽くまばたきをすると、レンズが外れます。
まぶたを利用して外す場合は、最初に、きちんとレンズが黒目にのっていることを鏡で確認します。そして、鏡を見ながら利き手の人さし指を下まぶたに、反対の手の人さし指を上まぶたにあてて目を大きく開きます。上まぶたでレンズの上の端を押さえ、下まぶたを指で押し上げてまぶたで引っ掛けるようにすると、レンズがポロッと落ちるので、手のひらで受け止めます。
いずれの場合も、レンズを床に落とさないように気を付けましょう。
目が乾燥していると、コンタクトレンズが目に張り付いて外しにくいことがあります。そのような時は、何度か軽くまばたきをしたり、コンタクトレンズ用の目薬を使ったりして、一度目を潤すと外しやすくなります。
まとめ
ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズのどちらを使用するべきかは、乱視や近視などの程度、涙の量や質、生活環境(スポーツをする際に使用するかなど)、また予算や手入れのしやすさなど、その人によって合うタイプが異なります。どのタイプが適切か、自己判断はせず眼科医に相談しましょう。
参考サイト
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0015.html - 一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会
http://www.jcla.gr.jp/ - 日本コンタクトレンズ学会
http://www.clgakkai.jp/ - 公益財団法人 日本眼科学会 コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)
https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=298&dispmid=909 - 公益社団法人 日本眼科医会 コンタクトレンズ関連情報
https://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/ - MSDマニュアルプロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB
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