めまもりプロジェクト-色彩異常

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色覚異常とは?

原因や症状、診断方法を解説

絵本を見て色の名前をまちがえる、 塗り絵で普通とは異なる色を使う、左右で色の違う靴下をはく、 などの様子がお子さまにみられませんか? もしかしたら色覚に異常があるかもしれません。

色覚異常とは?

色覚とは、可視光線(約400~800nm)の波長の違いを色として認識する感覚のことです。
この感覚には、網膜にある錐体(すいたい)という視細胞が重要な役割を果たしています。錐体には、L-錐体、M-錐体、S-錐体の3種類があり、それぞれが「光の三原色」(赤、緑、青)のうち1つを感じとるしくみになっています。L-錐体は主に赤色(長波長)の光、M-錐体は主に緑色(中間波長)の光、S-錐体は主に青色(短波長)の光に反応します。錐体の反応の組み合わせによって、私たちは「色」というものを感じているのです。
色覚異常とは、これらの錐体のうちいずれかが欠損している、あるいは十分機能しないために、色を識別しにくい状態をいいます。

ただし、色覚異常があっても日常生活に不便を感じることはほとんどないため、「異常」という言葉はふさわしくないと考えている人もいます。日本遺伝学会は、2017年9月から「色覚多様性」という呼び方を提唱しています。

先天色覚異常

先天色覚異常とは、遺伝的な原因によって起きる色覚異常のことです。現時点では有効な治療法はありませんが、色覚異常が進行するようなことはほとんどなく、色覚以外の視機能も問題ない場合が大半です。日本では、男性の約5%、女性の約0.2%にみられます1)
先天色覚異常が男性に多い理由は、性染色体にあります。性染色体とは、人間の性を決めている染色体のことで、X染色体とY染色体の2種類があります。1人の人間は基本的に性染色体を2つ持っており、この組み合わせがXYの場合は男性、XXの場合は女性になります。2種類の性染色体のうち、色覚異常に関連する遺伝子はX染色体上にあります。そのため、X染色体を2つ持っている女性の場合、片方のX染色体に色覚異常を引き起こすような異常があっても、もう片方のX染色体が正常ならば機能を補うことができます(ただし、両方のX染色体に異常があると、女性でも色覚異常を引き起こします)。一方、男性の場合、1つしかないX染色体に色覚異常を引き起こすような異常があると、失われた機能を補うことができないため、色覚異常となる確率が高いのです。

色覚異常が遺伝する6種類のパターン

なお、色覚異常を引き起こしてはいないが、片方のX染色体に色覚異常の遺伝子を持っている女性のことを色覚異常の「遺伝的保因者」といいます。日本では、女性の約10%が遺伝的保因者であるといわれています※1

後天色覚異常

糖尿病や薬剤投与などによって生じる網膜脈絡膜疾患のほか、緑内障、視神経疾患といった病気の症状の1つとして、両目または片目に色覚異常が現れることがあります。色覚以外の視力や視野に異常が出たり、色の見え方が状態によって変わったりすることもあります。

区別がつきにくい色の組み合わせ

1型色覚:L-錐体(赤錐体)に異常がある

日本人男性の1%強にみられる色覚異常です。下記の2型色覚と同じような色混同(黄緑と橙、緑と茶や灰色、青と紫、ピンクと灰色を混同しやすい)があることに加え、ピンクと水色も混同しやすいという特徴があります。また、赤が薄暗く見えます。

2型色覚:M-錐体(緑錐体)に異常がある

日本人男性の4%弱にみられる色覚異常です。黄緑と橙、緑と茶や灰色、青と紫、ピンクと灰色などを混同しやすいのが特徴です。緑は普通の明るさに見え、薄暗くはなりません。

1型色覚と2型色覚を合わせて「赤緑(せきりょく)色覚異常」といい、先天色覚異常の大部分を占めています。1型と2型の違いは「赤」に対する明るさの感じ方です。1型色覚の人は、赤い光を色覚が正常な人の10分の1程度の明るさにしか感じないため、場合によっては灰色と混同してしまうことがあります。

3型色覚:S-錐体(青錐体)に異常がある

1型や2型とは異なり、性染色体ではない染色体(7番染色体)の異常により発症する色覚異常で、先天色覚異常のなかでは非常にまれなタイプです。強度の場合には、黄が灰色に見え、青緑から紫にかけての色が緑または青緑に見えます。

色覚異常の見え方

1型色覚や2型色覚の人は、信号の色を判別しにくいと誤解されてきました。しかし最近は、色覚異常の人が赤と黄色を判別しやすいように、特殊なLEDを使用して赤信号に×印を表示させることのできるユニバーサルデザインの信号機が開発されています。そのため、色覚異常があっても、ほとんどの方は運転免許を問題なく取得できます。

1型色覚、2型色覚とも、色分けされた路線を区別することが難しいとされています。1型色覚では、オレンジ色が黄土色に、緑色がベージュに、紫色が青色に見えます。2型色覚では、ピンク色が灰色に、赤色や緑色がくすんだ茶色に見えます。

色覚異常の診断方法とは?

色覚検査表を用いた検査(石原色覚検査表・標準色覚検査法)

石原式色覚検査表:モザイク状に並べた複数の色の中から、書かれている数字や記号を読み取れるか調べる検査です。
標準色覚検査表:石原式と似たモザイク状の検査表ですが、石原式よりも1型色覚と2型色覚の分類に優れています(ただし、確定診断には後述のアノマロスコープによる検査が必要です)。先天色覚異常を調べる「第1部」、後天色覚異常を調べる「第2部」、第1部と第2部から何枚かのカードをピックアップした検診用の「第3部」があります。

色相配列検査(パネルD-15)

15色のパネルを、基準となる色に近いと思うものから順に並べていく検査です。色覚異常の程度を把握するのに適しており、この検査にパスすると「中等度以下の異常」、パスしない場合は「強度異常」と判定されます。

ランタンテスト

鉄道の信号灯のような機械から発する小さい光を見せ、その色の名前を答えていく検査方法です。この検査は、パネルD-15で中等度以下と判定された方を対象に行い、色覚異常が中等度か軽度かを判別します。

アノマロスコープ

赤緑色覚異常の確定診断ができる検査機器です。接眼部からこの機械の中を覗き込むと上下に二分された円があり、円の上半分には緑色と赤色を混合した光が、下半分には黄色の光が見えるようになっています。
この検査では、緑と赤の光を一定の割合で混ぜると黄色に見えることを利用します。つまり、円の上半分に見える光(緑と赤)の混合比を次第に変化させていき、下半分とちょうど同じ色と明るさ(黄色)になったところを被験者に答えてもらいます。そのときの緑と赤の混合比を調べることで、色覚異常のタイプ(1型色覚か2型色覚か)について確定診断を行うことができるのです。また、この検査では、色覚異常の程度についてもある程度判定できます。ただし、検査機器が高価なうえ、検査技術に経験・技術が必要なこともあり、この検査を実施できる施設は限られています。

色覚異常の治療方法とは…

先天色覚異常に対する治療法は現在のところありません。しかし、先天色覚異常の方は、自分がどのような色覚を持っているのか知っておくことが大切です。色覚異常は自覚しにくい場合が多いため、眼科を受診して検査を受けることで、どのような色を区別しにくいのか調べておく必要があります。また、色の明るさや鮮やかさ、ものの形を手がかりとした学習を行うことで、色の識別能力は向上します。
後天色覚異常の場合は、色覚異常の原因となっている疾患を治療します。

色覚異常で進学や就職に影響は?

基本的にはどの大学にも進学できます。ただし、自衛隊や警察、航空に関連する学校、調理師専門学校などについては制限がある場合もありますので、各学校の募集要項を確認してください。

就職に際して問題になる場合とは

厚生労働省は、色覚異常者に対して根拠のない採用制限を行わないよう指導をしています。しかし、一部の業種や資格(航空機パイロット、鉄道運転士、船舶航海士など)では、制限を受ける場合があります。また、微妙な色の識別が必要な職種には就けない場合もあるため、個別の募集要項を確認してください。
実際に勤務を開始してはじめて、業務を行うことが困難であると気づくケースもあります。そのような場合は、どんな色が見えにくいかを自覚し、色覚による誤りをしないよう対策を講じておくことがとても大切です。

日常生活における問題とは

色覚異常のある人でも、色以外の情報がたくさんある明るい環境下で、物をじっくりと見るなどの訓練をすれば、色を混同することは少なくなります。また、実際に色を混同する経験をしながら、色の違いを学んでいくこともできます。しかし、雨が降っている時や夕暮れ時などは、色の区別(オレンジ色の街灯と赤信号など)が難しくなることもあります。点滅している信号の色(赤信号と黄信号)も見分けるのが難しいとされています。
1型色覚の人は、信号の赤や車のブレーキランプなど、危険信号として使用される「赤」の識別が難しいということを、常に意識しながら生活していくことが大切です。

近年、色覚異常の有無にかかわらず、すべての人が区別しやすいカラーユニバーサルデザインが推進されており、色覚異常に対する理解も進んできています。しかし、問題なく日常生活を過ごすためには、混同しやすい色を把握し、さまざまな対策を立て、実践することが重要です。

●参照サイト

公益財団法人 日本眼科学会

公益財団法人 日本眼科医会

日本小児眼科学会

●参考文献

1) 公益財団法人日本眼科学会HP(https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=84

2) Lee HS et al. BMC Ophthalmol. 16: 37, 2016.

3) 国立研究開発法人 国立成育医療研究センターHP(https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/019.html

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