ソフトコンタクトレンズの正しい洗い方は?ケア用品を利用した洗浄方法もご紹介
ソフトコンタクトレンズの正しいケア方法・洗浄液の種類
コンタクトレンズを快適に使用するためには、レンズのケアを正しく行うことが重要です。超音波の振動などを利用してソフトコンタクトレンズを洗浄する機械も販売されていますが、基本的にはコンタクト洗浄液を使っているという人が多いのではないでしょうか。ソフトコンタクトレンズ用の洗浄液には、主に「マルチパーパスソリューション(MPS)」、「過酸化水素製剤」、「ポピドンヨード製剤」の3種類があります。以下、それぞれの洗浄液の使い方について順番に解説します。
MPSでの洗浄
まずは、MPSを使ったソフトコンタクトレンズの正しい洗浄方法をご紹介します。
①MPSは、十分な量を使用するようにしましょう。量が少なすぎると十分に洗うことができません。
②コンタクトレンズを手のひらにのせ、適量のMPSを滴下します。表と裏をそれぞれ20~30回ずつ、一定方向にこすり洗いします。
③MPSでコンタクトレンズをよくすすぎ、コンタクトレンズケースに入れます。コンタクトレンズ全体が十分にMPSに浸かるようにし、一定時間おきましょう。
過酸化水素製剤での洗浄
次に、過酸化水素タイプの洗浄液について解説します。過酸化水素タイプの洗浄液には、洗浄・消毒力が高いという利点があります。具体的な洗浄のやり方は以下の通りです。
①コンタクトレンズを外し、専用ケースに入れる
②洗浄液を専用ケースのガイドラインまで入れ、中和剤を入れる*
③6時間以上そのまま放置する
④商品によっては、コンタクトレンズを装用するときに、すすぎ液でよくすすぐ
*コンタクトレンズを入れるカップに中和ディスクが固定されていて中和剤を入れる必要がないタイプの洗浄液もあります。
こんな使い方はNG!
①中和剤を入れてから6時間以内に装用する
洗浄液の中和には約6時間かかります。中和が不完全だと、コンタクトレンズをつけた際に目に痛みを感じる可能性があるので注意してください。低温下(10℃以下)で消毒した場合は、中和が完了するまでにより長い時間が必要です。冬場はなるべく暖かい部屋で消毒・中和をおこなうことをおすすめします。
②中和後24時間以上放置している
消毒・中和後にコンタクトレンズを保存できる期間は「24時間以内」です。24時間以上経過した場合は、再び消毒・中和を行ってからコンタクトレンズを装用しましょう。
③カラーコンタクトレンズに使用している
過酸化水素タイプの洗浄液は、カラーコンタクトレンズを変色させることがあるため、一部のカラーコンタクトレンズには使用できない場合があります。 カラーコンタクトレンズに使用する場合は、ケア剤の取扱説明書やコンタクトレンズの添付文書を確認してください。
ポピドンヨード製剤での洗浄
最後に、比較的最近になって登場したポピドンヨード製剤を紹介します。ポピドンヨード製剤にも、消毒効果が高いという特長があります。ただし、ヨウ素にアレルギーがある方や、甲状腺に関連した病気を抱えている方は使用することができません。
①付属の専用レンズケースにコンタクトレンズをセットする
②専用レンズケースに「消毒・中和錠」を入れ、さらに「溶解・すすぎ液」をケースの線まで入れる
③専用レンズケースのフタを閉め、4時間以上放置する(中和されるとオレンジ色の液が無色に変わります)
④新しい「溶解・すすぎ液」を使って、手のひらでコンタクトレンズをよくすすぎ、装用する
こんな使い方はNG!
①中和剤を入れてから4時間以内に装用する
中和用の錠剤を入れてから洗浄液が中和されるまでには、約4時間かかります。洗浄液やレンズが無色に変わり、中和が完了したことを確認してからレンズを装用してください。ポピドンヨード製剤も、低温下(10℃以下)で消毒した場合は中和完了までに時間がかかる場合があります。冬場はなるべく暖かい部屋で消毒・中和をおこないましょう。
なお、ポピドンヨード製剤で洗浄したコンタクトレンズは、中和後にレンズケースを開けなければそのまま1週間保存できます。1週間以上保存する場合は1週間毎に消毒・中和を行ってください。また、24時間以上保存したレンズを装用する前にも、再度消毒・中和を行ってください。
こすり洗いや水道水はOK?NGな洗い方
それでは次に、ソフトコンタクトレンズの洗い方のNGポイントを見ていきましょう。
水道水ですすいでいる
水道水には微生物が含まれている可能性があります。また、水道水がソフトコンタクトレンズに付着することでレンズが変形することもあるので、眼科医の指導にそったコンタクトレンズ専用のケア剤ですすぐようにしましょう。
ソフトコンタクトレンズを水洗いするのはNG? について
https://acuvuevision.jp/memamori/contact-lenses/228
指先を使ってこすり洗いしている
指先でこすり洗いをすると、爪がレンズにあたって破損する原因になる場合があります。指先ではなく、指の腹でこすり洗いをするようにしましょう。
円を描くようにこすっている
こすり洗いをするときは、必ず一定方向に動かすようにします。円を描くようにこすると、ソフトコンタクトレンズの破損原因になってしまいます。
また、こすり洗いの回数が少ないと、きちんと汚れを落とすことができません。
コンタクトレンズケア剤のボトルの先がレンズに触れている
はずしたコンタクトレンズにケア剤をつけるとき、うっかりボトルの先がレンズに触れてしまわないように注意しましょう。
まとめ
こうしてみると、ついうっかりやってしまったことがある!なんてこともNGポイントに含まれていませんか?
清潔な手指を使って、しっかりと正しい方法でこすり洗いをすることは、目の健康を保つ上で大切です。
きちんとケアできていないレンズには、汚れや細菌がついていることがあります。目のトラブルを予防し、快適な見え方で毎日を過ごすために、正しい洗浄方法を学んでコンタクトレンズを安全に使いましょう。
快適な見え方で毎日を過ごすためにも、気を付けましょう。