監修:しおや眼科 院長 塩谷 浩 先生 目のしくみ
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「ものが見える」とはいったいどういうことなのか、そのしくみをご説明しましょう。
ものを見るときは、物体に当たって反射した光が角膜を通して目に入ります。目に入った光の量は、虹彩が瞳孔の大きさを変えることにより制限され、さらに水晶体がピントを調節して網膜の上に焦点を結びます。 その光が視神経を通して信号として脳に伝達されることで、 人は物体を像として認識する(ものが見える)のです。
角膜
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目の外側表面を形づくる角膜は、外界からの光をとり込む役割をします。角膜は光学的にレンズとしての特性を持ち、通過する光を屈折させる役割も果たします。しかし角膜は形状を変えられないので、ピントを調節する(光の屈折のしかたを変える)ことはできません。
虹彩と瞳孔
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目の色の付いた部分を虹彩といいます。虹彩の中央にある黒い円の部分は瞳孔と呼ばれる開口部で、目のなかに入る光の量を調節する働きをします。虹彩は、瞳孔の大きさを変えることができ、明るいときは過度に光が入らないよう瞳孔を小さくし、暗いときは瞳孔を広げます。
水晶体
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水晶体は、角膜とは異なり、毛様体筋の収縮によってその厚みを変えることができます。遠くを見るときは厚みを薄くし、近くを見るときは厚みを増してピントを調節し、網膜に焦点を合わせます。
網膜
網膜は、眼球壁の最内部を形成しています。網膜に当たった光(情報)は、杆体と錐体と呼ばれる二種類の視細胞によって集められます。それぞれの視細胞からの情報は個々の神経繊維により伝達され、視神経を通して脳の視覚中枢に運ばれ、そこで視覚の認識が行われます。