
麦粒腫ばくりゅうしゅ(ものもらい)はなぜできる? くせになるの?

「ものもらい」は、正式には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」といい、まぶたの縁にある脂を出す腺(マイボーム腺)やまつ毛の根元に、細菌が感染し炎症を起こしたものです。まぶたの一部が赤く腫れ、軽いかゆみや、まばたきすると痛みをともないます。多くは人の皮膚や鼻・のどにいる黄色ブドウ球菌などの常在菌の感染が原因です。身体の抵抗力が弱っている、目をこすったり汚れたコンタクトレンズを装用したりして目に細菌を持ち込むといったことが、感染の引き金になります。
麦粒腫は、そもそも誰もが持っている常在菌の感染が原因ですので、人にうつることはありません。早めに眼科を受診して抗菌薬の点眼や軟膏、内服などの治療を受ければ、4~5日で治ります。点眼治療が必要になるため、コンタクトレンズをしている人は装用を一旦中止ししてください。炎症が進むとかゆみや痛みが増し、はれた部分が自然に破れて膿が出て、その後は自然に回復することもあります※。
麦粒腫が治っても、たびたび発症を繰り返すという人は、細菌を目に持ち込みやすい環境にあるのかもしれません。手指を清潔に保つことはもちろん、顔は清潔なタオルで拭く、手で目を触らない、髪の毛が目に触れないようにするなど、生活習慣を見直してみましょう。コンタクトレンズを装用している人は、レンズを装用する前や、はずす前に、十分に手を洗うこと、2週間交換レンズを使用の方はきちんとレンズケアを行いましょう。抵抗力が弱っていると感染を起こしやすくなるので、体調管理にも気をつけたいですね。
麦粒腫の種類
麦粒腫と似た病気に「霰粒腫」があります。麦粒腫と同様に「ものもらい」と呼ばれることもありますが、霰粒腫はマイボーム腺の出口が詰まり、脂が溜まった状態です。通常、痛みや赤みなどはなく、目を閉じた時のまぶたの腫れや、触った時にシコリが触れて偶然に気づくことが多いです。この段階では治療の必要はありませんが、霰粒腫に細菌が感染して炎症を生じ、腫れて赤くなり痛みを伴うと「化膿性霰粒腫」となるため、麦粒腫に準じた治療が必要になります。
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、 ひがしはら内科眼科クリニック・副院長 東原尚代先生監修のもと、編集しています。