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Q

蜃気楼は目の錯覚?どうして見えるの?

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A

蜃気楼は物理的現象であり、「錯覚」の一つです。
蜃気楼が見える仕組みを、「逃げ水」を例に考えて見ましょう。逃げ水とは、暑くなる季節に、日光で熱せられた道路上に水があるように見える現象のこと。道路周辺の空気が温められ、空気の層に温度差ができることで、その部分の光が異常屈折し、遠くの景色が浮き上がって見えたり、ときには逆さまに見えたりします。つまり、物理的な現象によるものです。近づくと消え、さらに遠いところに見えるようになるので、「逃げ水」と呼ばれています。
一方、錯覚と似た言葉に「錯視」がありますが、これは原因が知覚的な(心理過程あるいは脳内処理過程に原因がある)錯覚を指すことが多いようです。蜃気楼は、原因が光の屈折という物理的現象であるため、錯覚であり、錯視とは言わないことが多いです。

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逃げ水

蜃気楼「逃げ水」の例。道路の途中の平坦なところと遠くの方に水があるように見えますが、これは光の屈折が原因の「錯覚」です。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、立命館大学・総合心理学部/文学部人文学科心理学専攻教授 北岡明佳先生監修のもと、編集しています。