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Q

2重の絵が立体に見えるしくみって?

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A

人の目は、左目と右目に映った像の差=「両眼網膜像差」あるいは「両眼視差」によって、ものを立体視しています(言い換えれば、立体感を得ています)。例えば、左手の人差し指を左目の近くで立て、右手の人指し指を顔から離して右の方で立てて、片目ずつ観察すると、指の間隔は左目で見た方が右目で見た時よりも短く見えます。このような両眼網膜像差(両眼視差)の仕組みを利用して、立体的に見えるように作成された絵や画像を「ステレオグラム」と言います。おなじみの3D映画も原理は同じです。

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図1のように、土星が左手前にあり、星が右奥にあったとすると、左目に映る像における土星と星の距離は右目の像のそれよりも短くなります。
逆に、そのような絵を描き、それぞれの目に投射することができれば、土星が左手前にあり、星が右奥にあるように見える両眼立体視が成立します。これがステレオグラムです(図2)。
ステレオグラムで立体画像を見るには、左右の目が共同で働くことが重要になります。交差法(右目で左を、左目で右を、視線を交差させて見ること)が得意な人は、図2の左と中央の絵を視線を交差させて見ます。また平行法(右目は右、左目は左を、視線を平行にして見ること)が得意な人は、図2の中央と右の絵を見ます。左右それぞれの目で見たものが、脳で一つの絵として処理されると(両眼融合)、土星と星は、図1のような奥行きのある配置に見えるでしょう。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、立命館大学・総合心理学部/文学部人文学科心理学専攻教授 北岡明佳先生監修のもと、編集しています。