誰でも老眼になりますか? いつ頃からはじまるのでしょうか?
老眼とは、目の水晶体のピント合わせの力(調節力)が低下することで、近くのモノ(およそ33~50cmより近くのモノ)が見づらくなった状態をいいます。調節力は、産まれた直後がピークで、その後、徐々に弱まり、60歳くらいでなくなっていきます。まだ若いうちは調節力の余力が十分にあるので老眼の症状はありません。しかし一般的には、調節力が弱まる40歳を過ぎた頃から、症状を感じるようになると言われています。つまり、遅かれ早かれ、誰でも老眼になるということです。実際、コンタクトレンズユーザーを対象にした調査※では、45歳以上の80%以上の人が老眼の症状を感じていました。
※ 2014年 J&J調べ
<老眼の主な症状>
● 小さくて細かい字が読みづらい
● ピントが合わせづらい
● うす暗いところで、見えづらい
<目の調節力とハッキリ見える距離>
● 年齢とともに、目の調節力が低下し、近くが見えづらくなります。
出典:内海隆「眼科検査法ハンドブック第3版, p62, 1999」より引用改変
<老眼のしくみ>
下図のように、私たちは目に入ってくる光を、角膜や水晶体(カメラでいうレンズ)で屈折させ、網膜という部分(カメラでいうフィルム)にピントを合わせることで、モノをハッキリ見ることができます。近くのモノを見るときは、水晶体が厚くなり、網膜上にピントが合うように、光を大きく屈折させます。この水晶体による光のピント合わせの力を「調節力」と呼びます。水晶体は加齢とともに固くなり、徐々に、近くのモノを見るときに厚くならなくなります。すなわち調節力が低下するのです。そのため網膜上にピントが合わなくなり、モノがぼやけて見えるようになります。これが老眼です。
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、ひがしはら内科眼科クリニック・副院長 東原尚代先生監修のもと、編集しています。