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Q

酸素透過率は、高いほど目にいいの?つけ心地にも影響しますか?

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A

黒目(角膜)は血管のない臓器で、その健康を保つためには酸素が不可欠です。角膜は、主に、涙に溶け込んだ大気中の酸素を栄養とするため、コンタクトレンズを装用すると裸眼のときと比べて角膜に届く酸素の量は、少なからず低下します。そのため目の健康を保つには、よりたくさんの酸素がコンタクトレンズ素材を通ること(高い酸素透過率)が重要です。目に届く酸素が不足すると、白目の血管が酸素不足を補おうと広がって充血したり、角膜の中にまで血管が伸びたりします(新生血管)。また、角膜の細胞の代謝が低下して傷ができやすくなると、感染症などのトラブルを起こす原因にもなります。
コンタクトレンズの酸素透過率は、酸素がコンタクトレンズを通って目にどれくらい届くかを表す指標で、目の健康のためには、酸素透過率は少なくとも24.1※1以上必要といわれています※2
最近では、シリコーンハイドロゲル素材※3を使った、酸素透過率の非常に高いコンタクトレンズも登場しています。しかし、いくら良い素材のレンズを装用していても、決められた装用時間を守らなかったり、レンズケアを怠ったりと、不適切な使い方をすると、目の健康状態が変化し、つけ心地に影響する可能性はあるでしょう。
充血や痛みなどのトラブルを起こして初めて、酸素不足に気づくといったことにならないよう、透明なコンタクトレンズでも、カラーコンタクトレンズでも、十分な酸素透過率のレンズを装用し、正しく使用しなければなりません。

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※1 酸素透過率(Dk/L値)×10-9 (cm・mLO2 /sec・mL・mmHg)
※2 Holden and Mertz, 1984
※3 シリコーンハイドロゲル素材:水分をたっぷり含んだハイドロゲル素材と、酸素をたくさん通すシリコーン素材を合わせてつくられたレンズ素材のこと。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが、ひがしはら内科眼科クリニック・副院長 東原尚代先生監修のもと、編集しています。