アキュビュー® 【公式】(EYE LIFE アカデミー) 飛蚊症

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楽しく学べる瞳の情報コラム EYE LIFEアカデミー

こすっても消えない「飛蚊症」ってどんな病気?

視界に黒い虫や糸くずのようなものが飛んで見えたり、雲のようなものが浮いて見えたりする症状を「飛蚊症」と言います。いつもは気づかなくても、白い壁や空を見たときに現れやすく、目を動かすと目と一緒に動いて見えます。色は黒いものも、透明なものもあり、形もリング状だったり、ひも状だったりとさまざま。数も1個から数個、または多数ある場合もあります。

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飛蚊症は加齢が関係しているって本当?

飛蚊症の原因の大部分は、目の中の「硝子体」の加齢変化です。
目の中は、卵の白身に似た透明でどろっとしたゼリー状のもので満たされていて、これを硝子体と呼びます。若いときには、硝子体は透明で濁りはありませんが、年齢を重ねると組成が変化し、中に液体のたまった小部屋(空隙)ができます[図1]。本来透明なはずの硝子体に空隙ができると、それが濁り(影)として網膜に写り、ゆらゆらと虫のようなものが飛んでいるように見えるというわけです。網膜に近い部分にある濁りほどよりはっきり見えるというふうに、濁りの大きさや場所によって見え方は異なります。
また加齢とともに硝子体は前方に萎縮していきます。すると目の奥の網膜から硝子体がはがれて(「後部硝子体剥離」[図2])、それが濁りとして認識されることがあります。この後部硝子体剥離が、飛蚊症の原因として最も多く、60代前半に起こりやすく、中等度以上の近視の場合は早く起こるといわれています。

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こんな症状は必ず受診を

飛蚊症は、多くの場合は加齢に伴う生理的なものであり心配いりませんが、なかには、網膜剥離など、重大な目の病気のサインということがあります。飛蚊症を自覚したら、生理的変化なのか病的な変化なのか、眼科で診てもらうことが大切です。特に飛蚊症が急に増えたり、形が変わったり、視力が落ちるようであれば直ちに眼科医を受診しましょう。

<飛蚊症がサインとなる主な目の病気>

網膜剥離の原因になる、網膜に穴や裂孔ができた場合や糖尿病網膜症、くも膜下出血や目の外傷などで硝子体内に出血が起った場合に飛蚊症が起こります。また、目の手術後に感染症やぶどう膜炎を起こした場合にも強い飛蚊症が生じます。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーが東京大学名誉教授・増田寛次郎先生監修のもと、編集しています。