目や目の周りが痛い原因とは?

目や目の周りが痛い原因とは?

目や目の周りが痛い原因とは?

目や目の周りが痛い原因とは?

疑われる病気や病院に行く目安を解説
目や目の周りが痛いと感じたことはありませんか?一口に「目の周りの痛み」といっても、その原因はさまざまで、ときに重大な病気が隠れていることもあります。この記事では、目や目の周りに生じる痛みの原因や、疑われる病気、病院に行く目安について解説します。
作成日: 2022/12/08
更新日: 2024/01/16

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目次

 

? 目が痛い原因とは?

目が痛いと感じたときには、もう少し具体的に、目の中のどの部分に痛みがあるのか確認しましょう。痛みを感じる部分によって原因が異なるからです。
以下に、痛みを引き起こしていると考えられる代表的な原因や病気を、痛みの部位別に挙げました。

目の表面の痛み

目の表面に痛みを感じるときは、角膜(くろ目)や結膜(しろ目)といった部分が傷ついたり、炎症を起こしたりしている場合が多いです。具体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

目の表面の痛み一覧
目の表面の痛み一覧

目の奥の痛み

目の奥が痛いときは、眼球の内部や視神経に異常がある可能性があります。また、頭痛に伴って痛みを感じる場合や、目の周囲にある副鼻腔に問題がある場合も考えられます。

目の奥の痛み一覧
目の奥の痛み一覧

目の周りの痛み

目の周りに痛みを感じるときは、まぶたや涙腺などに炎症が起きている場合が多いです。また、眼球自体や、眼球がおさまっている骨のくぼみ(眼窩)、さらには副鼻腔の炎症が原因で、目の周囲に痛みを生じることもあります。

目の周りの痛み一覧
目の周りの痛み一覧

その他、目をぶつけた、目にボールが当たったなど、日常生活における事故でも目の周りに痛みを感じることがあります。

~眼精疲労によって目が痛くなることはある?~

眼精疲労とは、目を酷使しすぎた結果、目の疲労感や視野のかすみ、まぶしさなどの症状が現れて、休息や睡眠をとってもこれらの症状がなかなか回復しなくなった状態のことをいいます。目の奥や周囲に痛みを感じる人も多いようです。ひどい場合には、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状がみられることもあります。
眼精疲労は、屈折異常(近視や遠視など)や老眼の人、目の向きや目の筋肉に異常がある人(眼位・眼筋異常)、ドライアイの人がなりやすい傾向にあります。また最近は、デジタル機器のディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)の長時間使用が原因の眼精疲労も増えてきています1,2)

上に挙げた疾患のうち、ドライアイや花粉症、麦粒腫に関しては、それぞれに合った目薬が市販されていますので、薬剤師と相談しながら試してみるのも良いでしょう。また、ドライアイや眼精疲労は、生活習慣(特に電子機器との付き合い方)を改善することで良くなるケースもあります。パソコンを使った作業を連続して1時間行ったら、15分くらいの休みを取ったり、ときどき窓の外をぼんやり見たりして、目を休める工夫をするとよいでしょう3)
そのほかに挙げた病気の中には、ただちに治療が必要なものもあります。自分に当てはまるのではないかと思ったらすぐに眼科を受診してください。

緊急を要する病気・重大な病気の可能性も

「目が痛い」という症状の裏には、重大な病気が隠れていることもあります。以下に、目の痛みと関連のある病気を挙げました。

病気① 急性緑内障発作

急性緑内障発作とは、目の内部の圧力(眼圧)が急に上昇し、さまざまな症状に襲われる発作のことです。目の痛みのほかに、目の充血、かすみ目、頭痛、吐き気などの症状も現れます1)。目の痛みには個人差があり、我慢できないほど激しく痛む場合もあれば、眼が重く感じる程度のこともあります。数日で失明してしまうケースもありますので、このような症状が現れたときは、すぐに救急外来を受診して下さい。

病気② 火傷・化学物質による外傷

目を火傷した、あるいは洗剤などの化学物質によって目が傷ついてしまった場合は、早急な対応が必要です。いずれの場合でも、ダメージを受けた部位によっては、重い視力障害が残ることがあります。なかでもアルカリ性の化学物質は、特に目の深部にまで到達しやすく重症化するケースが多いため、ただちに大量の流水で洗浄し、治療を開始する必要があります。

病気③ 視神経炎(視神経症)

視神経炎(視神経症)とは、目から入った情報を脳に伝える視神経に、炎症や何らかの障害が起きた状態のことです。典型的な症状としては、目や目の周りの痛み、急激な視力低下、眼球運動時痛(目を動かすと痛みを感じる状態)、視野や色覚の異常などです。病院で検査を行って異常が起きている部位と原因を特定したうえで、すぐに治療を始める必要があります。

病気④ 眼窩蜂窩織炎

眼窩蜂窩織炎とは、眼窩(眼球がおさまっている骨のくぼみ)の組織に細菌が感染して、急性の炎症が起きた状態をいいます。症状は、目の痛みのほか、眼球突出(目が前方に飛び出てくること)、結膜の充血や浮腫(むくみ)、発熱などです。すぐに抗菌薬による治療が必要なため、上のような症状がある方は速やかに眼科を受診してください。

病気⑤ 副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、顔の骨の中にある副鼻腔という空洞に炎症が起きた状態のことです。副鼻腔は、鼻腔(鼻の穴)とつながっています。そのため、風邪やアレルギー性鼻炎などによって鼻の粘膜が腫れを繰り返すと、副鼻腔に膿などが流れ込み、副鼻腔炎に発展してしまうことがあります。
副鼻腔は、下の図に示したように4つの空間に分かれているため、炎症が起きた場所によって痛みを感じる部分が変わります。目の周りに痛みを感じるのは、上顎洞(じょうがくどう)や篩骨洞(しこつどう)に炎症が起きた場合です。痛みのほかにも、どろっとした緑色の鼻水が出ることがあるのが、副鼻腔炎の特徴です。
副鼻腔炎を放っておくと、慢性化して手術をしなければならなくなることもあります。気になる症状がある場合は、早めに耳鼻科を受診しましょう。

イメージ図
イメージ図
<炎症の部位と痛みを感じる部位の関連性> 上顎洞の炎症:目の下~頬部の痛み 篩骨洞の炎症:目の周りの痛み 前頭洞の炎症:おでこの痛み 蝶形骨洞の炎症:頭痛(頭が重いような感覚)
<炎症の部位と痛みを感じる部位の関連性> 上顎洞の炎症:目の下~頬部の痛み 篩骨洞の炎症:目の周りの痛み 前頭洞の炎症:おでこの痛み 蝶形骨洞の炎症:頭痛(頭が重いような感覚)

病気⑥ 群発頭痛

群発頭痛とは、目の周りや奥、耳の上あたりに激しい痛みを感じる病気です。これらの症状は1時間ほど続き、その後自然に治ります。目の痛みは通常、片側のみに感じるとされています。症状としてはほかにも、目の充血や涙目、顔の赤み、嘔吐、鼻水を伴うこともあります。
この病気は春や秋に多く見られ、ストレスなどが関係していると言われていますが、詳しい原因は不明です。市販薬も効かないことが多いようです。群発頭痛が続くときは、医療機関を受診してください。

病気⑦ 脳腫瘍

脳に腫瘍ができると、脳内の圧力が高くなることによって、目の痛みや頭痛を感じることがあります。その他に以下のような症状が現れることがあります。
・片方の手足や顔の半分に現れる麻痺・しびれ
・歩けない、ふらつく、筋力はあるのに立てない
・ろれつがまわらない
・言葉が出ない、人の言うことが理解できない
・視野が欠ける、ものが二重に見える
・てんかん
これらの症状を、脳の病気と結び付けられず、受診が遅れてしまうことがあります。上に挙げたような症状が現れたら、なるべく早く専門医を受診して下さい。

! 目が痛い時の応急処置の方法とは?

目や目の周りが痛いと感じるときは、基本的には眼科を受診するようにしましょう。目を何かにぶつけたり、ボールが目に当たったりして目が痛いときは、次のような応急処置をして早めに眼科を受診してください。角膜などの目の表面や、網膜のような眼の奥にあるものに異常がある場合もありますので、放置してはいけません。

方法① 痛い部分を軽く冷やす

目を何かにぶつけた後に目の周りが腫れてきた場合は、濡らしたタオルなどでまぶたの上から目をおさないようにして目を冷やしましょう。物が二重に見える、物がかすんで見えるなどの症状がある場合は、すぐに眼科を受診しましょう。

方法② できるだけいじらない

症状が悪化してしまうことがあるので、痛みがあるときはできるだけ目をいじらないようにしましょう。痛みが強い場合や、目の充血や腫れ、吐き気、頭痛、視力低下などがある場合は、すぐに眼科を受診してください。

目の痛みを放置しては危険!
病院へ行く目安は?

目の痛みが続く場合、背景に深刻な病気が隠されていることもあります。痛みが強かったり、痛みそのものは弱くても痛みがなかなか引かなかったりする場合は、眼科を受診しましょう。また、痛みに加えて視力低下もあるようなら、ただちに眼科を受診してください。受診の際には、「どのくらいの痛みを」「いつから」「どれくらいの頻度で」感じているのか、医師に伝えましょう。また、目の痛み以外にも症状がある場合は、その症状も合わせて医師に伝えてください。

まとめ

目の痛みはさまざまな原因によって生じ、なかには重い病気が隠れていることもあります。痛みを放置すると、症状が悪化して完治までに時間がかかってしまったり、場合によっては視力にまで影響が及んでしまったりすることもあるので注意が必要です。気になる症状がある場合は自己判断をせず、専門機関で適切な診断・治療を受けてください。

参考文献

  1. 医療情報科学研究所編、病気がみえる vol.12 眼科、株式会社メディックメディア、2019年
  2. 中澤満他、標準眼科学第14版、医学書院、2018年
  3. 令和元年7月12日付け基発0712第3号 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて 厚生労働省労働基準局編
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