アキュビュー® 【公式】 目目(マメ)知識 最初の目、第三の目

 

地球上に、目のない原子生命が誕生した数十億年後。光を感じる器官、「目」を持つ種が登場すると、生物の住む世界は、大きく変わり始めました。

 

 

初めて「目」を持った生き物

太古の海に暮らした「三葉虫」は、地球上で最も早く「目」を手に入れた生物であると考えられています。ほとんどの生物が泥の中で有機物を食べていた頃、三葉虫は目を使い、他者より上手に食物をとらえていました。そしてこれをきっかけに、他の生物を捕らえて食べる「捕食」をするものが現れはじめたと言われます。

 

 

視力を捨てた生き物たち

もぐらは地中という「暗黒の世界」に暮らしています。そのため目は退化してほとんど見えません。しかしもぐらは優れた嗅覚をもっています。音に対しても非常に敏感で、体毛からも周囲の情報を得ています。もぐらが暮らす地下トンネルの中では、「見る」ことよりも「感じる」ことが大切なのです。そのため、もぐらの目は、徐々にその働きを弱めていきました。

 

 

人間が持つ「第三の目」

生物の多くが目を2つ持っています。3つの目を持つ生物もいますが、例外的です。その例外に人間が含まれているとしたら…。にわかには信じがたい話かもしれませんが、事実です。ただし、人間が持つさらにもう1つの目は、2つの目と異なり物の形や色を見ることはできません。それは、松果体(しょうかたい)と呼ばれる器官で、脳の中にあります。

一説によると、脊椎動物の祖先は、やわらかい皮膚の下に光を感じる3つの目を持っていました。皮膚や頭骨が固く発達していく過程で、2つは皮膚の外側に出て、物を見る目に進化しましたが、もう1つは皮膚の下にとどまったと言います。

人の松果体のルーツが、皮膚の下にとどまった3つ目の目にあると言えるのか否かは、定かでありません。しかし、松果体は「第三の目」と呼ばれていて、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の分泌を、光を感じてコントロールしています。つまり、松果体は、古代生物の「目」と同じように、光を感じて働く感覚器官なのです。