アキュビュー® 【公式】 目目(マメ)知識 目配り達人は、気配り上手

 

武道に見る「目配り法」

武道には「目配り法」というものがあります。目を凝らして一点に集中するのではなく、視野全体に意識を配り、相手が繰り出す様々な攻撃に対応できるように備えるのです。少林寺拳法における「八方目(はっぽうもく)」もそのひとつ。八方目は、相手と対峙する際、目を動かざすに、意識で相手の周囲全体を視野にいれる技術です。

武道の世界では古くから重視されてきた目配り法を、達人たちはどのように身に着けているのでしょうか。兵法書「五輪書」を書き記した剣豪宮本武蔵は、目配りについて「能々吟味あるべきもの也」としているのみで、具体的な鍛錬方法について触れていません。

おそらく目配り法は、地道な努力の積み重ねにより身につくものなのでしょう。

 

 

日常生活における八方目のすすめ

相手と向き合う時に限らず、常に周囲へ目配りすべし。少林寺拳法では、こんな風に言って目配り法の指導をするそうです。常に目配りを意識することで、自然に八方目を身につけようという考え方です。例えば、整列の際に、自分が列を乱していないか全体に気を配るのです。

武道の世界では相手を倒すため、あるいは自分の身を守るために不可欠な目配り法ですが、一般的には必要のないものだとする考え方もあるでしょう。しかし、目配りを武道の世界だけのものとせずに、日常生活に応用してみてはいかがでしょうか。

スマートフォンの操作に夢中になるあまり、まわりの人の道を塞いでしまう。そんな人を見かけたことはありませんか。目配りがうまくできていないばかりに他人に迷惑をかけてしまうことはだれにでもあることだと思います。

そこで、人混みの中にいる際、ちょっとだけ目配り法を思い出してみて下さい。例えば、混雑した電車の入り口付近に立ち止まって人の流れを塞いでしまうこと、あなたにはありませんか。もしあなたが車両全体に目配りできる人なら、車内の奥にうまくスペースをみつけて入り口付近の混雑緩和に貢献できるはずです。現代人にとって目配り法は、気持よく暮らすための豆知恵なのかもしれません。